リボンと錠剤
羽根衣
0.序章
いつしかの神様が寝起きに描いたような世界が憎いと思う。出会いと別れがセットで、愛と憎しみがセットで、生と死がセットなんて。
幸せには必ずと言っていいほど、不幸が追いかけてくる。ああ、可笑しくて仕方がない。何故ならその不幸に対して“人間は見向きもしようとしない”からだ。
私の、この目の前にある幸せにはどんな不幸が付き纏おうとしているのだろう。きっと私は全てを捧げてやれる。
恐怖なんかよりも楽しみで仕方がないから。貴女のためだけに全てを投げ出す覚悟を決める日が、待ち遠しいから!
目線を変えると、テーブルに飾った紫のカーネーション。それはまさに貴女の象徴みたいで、なんとも愛おしい。
枯れることが不幸ではない、と言い張っているかのような凛々しい姿がまさにそう。
貴女のように大切にする。不幸が来るまで。
不幸が来るまで。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます