星降る夜に 〜大人のための童話集〜
凪ちひろ
第1話 プロローグ
僕はこれらの話を、祖父から聞きました。祖父はそのまた祖父から聞いたそうです。そのまた祖父の祖父は、星々から聞いたとか。ほんとかどうかわからないけれど。
小さな小さな物語は、大人になっても、僕の心の隅で暖かかかった。
だから、紙に書くことにしました。最後はひもで綴じて、一冊の本にするために。
僕がいなくなっても、みんながこの小さな物語に触れられるように。
大人にも童話は必要なんだって、僕は思っているから。
もちろん、子どもに読み聞かせてくれたっていいですよ。元々童話ですから。
ストーブの前のソファや、ベッドで眠る前の夢物語として、語ってもらえたらどんなに幸せか。
それで君達の胸の隅にも、僕と同じ灯りがともったら、僕は、「ああ、書いてよかった」と思うでしょう。
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