第7話 死者との交信

Sideクロスオーバーメンバー

狼の獣人の子は憐れむように

「初手であの筋肉ダルマが相手とは新人君は可哀想だねぇ」


眠そうにしているピンク髪の女の子は適当に

「ね〜あの子は何秒持つかな?」


軍服姿のクールな女の子は残念そうに

「私が剣の錆にしようと思ったのに…」


スーツ姿の眼鏡をかけた黒髪の女の子は心配そうに

「凪?ほんとに大丈夫なの?いくら期待してるとは言えあの筋肉ヲタクが相手じゃさすがに勝ち目ないと思うんだけど…」


金髪の女の子は自信ありげに

「大丈夫だよあの子は必ず試験に合格する」

「あ、始まるよ」



「両者位置についたな それではこれよりクロスオーバー入団試験を始める!!ルールはなんでもありだ! どちらかが戦闘不能になるか試験管が実力を認めたらこの試験はは終わりとする それでは位置について…始め!!」


この時に一人を除いてクロスオーバーのメンバー全員が彼を不合格になると思っていた。

だが結果は…彼の圧勝だった。

勝負は一瞬だった。

獅子堂が殴ったのを避けてお腹に一撃入れてみせた。あの獅子堂にだ。

みな予想外のことが起こり驚愕した表情になっていた。

手加減していたとは言えボスに力だけなならまさる獅子堂を一発で壁にめり込ませたのだ。

あり得ない…一人以外がそう思った瞬間であった。


「ね?言ったでしょ?彼なら大丈夫って」


そう金髪の女の子来栖凪は笑顔で笑うのだった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Side新井優

あの後来栖さんに部屋を案内してもらい自分の部屋で最初に約束していた死者への交信をしてもらうことにした。

しっかり約束を覚えていたようで良かった…そうじゃなきゃ殺していたところだった。

来栖さんにどうやってやるのかを尋ねたら

「僕のスキルに死霊魔法があるからそれで死者との交信をするんですよ!ちなみに死者の姿は見えませんが死者の声はしっかりと新井君に届くようににするのでご安心ください!あーあと新井さんは誰と交信したいんですか?」

と言われたまぁ…姿も見たかったが我儘言ってもしょうがないので妥協しよう…でもこっちに声が聞こえてくるのはありがたいな。

交信して欲しい人は両親だと説明した。

会話もできるのか聞いたらもちろんできるとのこと

本当は生きて会いたかったが仕方ない僕が遅くなったばかりにこんなことになったのだから…

まぁ…とにかく気を取り直して早速やってほしいと頼む。



「じゃあ行きますよ!『死霊交信』……ふむふむちょっと待ってくださいね…よし居ましたね今繋げます。」


すごくドキドキする…なんだか落ち着かない

僕がソワソワしているとふいに声が聞こえた。

『優…優なのか?』

『優なの?』

あぁ…紛れもなく母さんや父さんの声だ間違いない

何年この日をまっただろうか…あの異界に行ってから約数十年この日を待ち焦がれた。


「あぁ…母さん…父さん僕だよ優だよ…これ夢じゃないよね?」


『夢なわけあるか…』

『夢じゃないわ現実よ…』


「そっか…母さん父さんほんとに遅くなってごめん…生きてる間に会いいきたかったけど無理だった…」


『いいんだ優』

『いいのよ優』


「僕…頑張ったんだ…必死だった…そこにはさ…化け物みたいなやつしかいなくてさしかもずっと夜でさ…その上食料なんて人肉と血だけだったんだよ…僕は幸せに生きたかっただけなんだ…父さんと母さんと一者に他愛ない話ししてさ過ごしたかっただけなんだ…僕は人だ…化け者じゃない!」


『大丈夫だ優は立派な人だ』

『大丈夫よ優は立派な人よ』


「ありがとう…母さん、父さん…でも僕どうしたらいいんだろ正直生きる理由が見つからないんだ…」


『そおゆうのは自分で見つけなきゃ意味がないんだ』

『そおゆうのは自分で見つけるものよ…ふふっ』


「ハハッ…厳しいね…分かった探してみるよ生きる意味」


『その意気だ優』

『その意気よ優』


『そろそろ時間だ』

『そうね名残惜しいけどずっといるのは優の成長にもつながらないしね』


「そうかもう行っちゃうんだね…本音を言えば淋しいけど僕のこと思ってのことなんだよね…だからこれでバイバイだね」


『あぁ…さよなら優』

『またね優』

 

「さよなら母さん、父さん」


『『幸せに…』』


プツッ

そんな音とともに最高の時間は終わった。

生きる意味か…頑張って探さなきゃな…

僕は来栖さんに向き直ってお礼の言葉を述べた。


「来栖さんありがとっ…てうわぁなんでそんなことなってんの?」


来栖さんの顔は涙と鼻水でグシャグシャになっていた。


「ズゥゥーだってぇそんなに辛い思いをしてぇようやく両親と会話できたのにすぐにお別れだなんて…カナシイじゃないですかぁぁ…」


きっとこのこは優しい子なんだろう。

僕のためにこんなにないてくれるこなんていたっけ?

てかその前に友達がいなかったか…


「ほらこれで鼻水とか拭いてください」


そう言ってティッシュ箱を渡す。


「ありがどおぉぉー」


もしかしたらここクロスオーバーで生きる意味が見つかるかもしれない…そう思うと少し嬉しくなった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る