第2話 人を辞めた日
僕は心を落ち着かせた後誰もいない家を散策してみた。
だがどれもボロボロでほとんど使えそうなものはなかった。
そうして何かないか探していると一つの日記が見つかった。
その日記にはこの世界のことが書かれていた。
☓月◯日 晴れ
今日は日記を買ってもらった。
なので今日から日記をつけてみることにした。
☓月△日 曇り
今日は外が雨が降りそうだったので家で図書館で借りた本を読むことにした。
当たりが引けてとても面白かった。
☓月□日 晴れ
最近太陽が出る時間が短くなりすぐに月がでてくるようにった。
しかも月は赤く不気味に光っている何かの前触れじゃなきゃいいけど…
☓月◇日 晴れ
私たちの世界はおかしくなってしまった。
太陽が出ることはなくあの不気味な赤い月がずっとでている。
最近では外に謎の生き物がいるとニュースでやっていた。
早く元の世界に戻らないかな?
☓月▣日
私は今日死ぬ…
あの怪物がでてきてから人はだんだん殺されて食われていってしまった。
私のパパとママも殺された……
しかもアイツらは何かの能力なのかわからないが殺した遺体が起き上がり活動を始めた。
他にも食べた奴らと合体して動き始めたものまでた。
大丈夫だよママ、パパ私はちゃんとそっちへ行くからね…バイバイ。
これが日記の全容だ。
どうやらこの世界は怪物達に支配されてしまったようだ。
僕はこの日記を読み絶望した。
読まなければよかった。 知りたくなかった。
俺は地面にへたり込んでしまった。
「ハハッ…こんなのどうしろって言うんだよ…怪物が沢山闊歩している世界に俺一人だけなんて…」
これからどうしようか?それとも怪物に殺されてアイツラの仲間になるか?それだけは嫌だ。
僕は絶対家族の元へ帰るんだ!
そうして勇気を振り絞り生き残る決意をする。
そうして僕の地獄生活1日目が始まった。
とりあえずこの家を拠点として動こう。
そして今足りないのはなんといっても食料だ。
これからこのクソッタレな世界で生活するには食べ物が必須とりあえずスーパーやコンビニがないか怪物に見つからないように行こう。
「気は進まないけど帰るためだ!行くか…」
僕はその外に何かいないか確認しながら慎重に外に出た。
僕は食べ物を求め外に繰り出したのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
道中何体か死体は居たがどれも足を欠損していて動きが遅く中には追いかけてきても倒れて動けないものもいた。
そうしてスーパーやコンビニがないか探した。
結論ありはした。
だが缶詰などはすべて食べられており普通の食品は腐っていた。
「クソッこれじゃあ食べられるものがないじゃないか!」
多分ここにいた人たちが全部食べてしまったんだろう。そう言う残骸がちらほらあったからな…
水もない食料もないどうしたらいいんだ…
「グゥゥゥ〜うっ…お腹すいた…喉も渇いたなぁ…ほんとに帰れるのかなぁ…こんなんで…」
僕は不安になりながらも他の場所のスーパーやコンビニを探してみただが残念ながら何もなく収穫はゼロだった。
「クソッタレ!!神様僕なんかしましたか?今頃異世界で観光してるはずなのに…」
そうぼやきながら僕は自分の拠点へと帰っていこうとしていた。
だが帰る途中変な音がし始めた。
それは肉を引きずる音のような物だった。
そうしてソイツは現れた。
ソイツは真っ赤な肉の塊で人の形をとっていた。
胸部には2つの胸の代わりに人の顔がついていた。
その顔は苦痛に歪んだ顔をしていてその口からひたすら「助けて…」と言う言葉を発している。
なんだこの人間を冒涜したような生き物は…
僕はまた吐き気を覚えつつもさっきの奴らと違うことを警戒しつつ相手の様子を見ていた。
相手は僕を見つけると不規則についた目玉がこちらも見つめてきた。
僕は恐怖を覚えつつも逃げるために足を動かそうとする。
だが足は震えてなかなか動けない。それでも無理やり足を動かし家に向かって走る。
相手は追いかけるようにこちらに向けて走ってきた。
「クソッ!コイツ結構速いぞ僕は能力で体は強化されてるはずなのに!」
僕の能力は異世界のものを食べると身体が強化されるというものだった。
だが相当いいものじゃないと微々たる強化しかされずいつもハズレ扱いを受けていた。
それでも諦めずに食べていたらある程度の強さはえることができた。
(どうする?僕後もうちょっとで追いつかれるなら倒すしかないか…クソッ!一か八かだ!)
僕はそこら辺にあった石を拾い上げ相手に思いっきり投げつける。
石は相手の肩をえぐり通り抜けていった。
「グオォォ!助けて…助けて…」
クソッこれじゃあまだ倒せないか…
分かって入るんだがこいつらは元は人なんだ…
僕はこれを殺したら人殺しとなる。
でもそんなことを言ってたらこっちが殺される!
僕は生きて帰るんだ!
「そらもういっちょ!くらいあがれ!」
またそこら辺に会った石を相手に投げつける。
今度は相手の胸部にある人間の顔に当たり貫通していった。
「グオォォォォォ!助けて……」
相手の片方の顔は動かなくなり何故か相手の身体能力も落ちていた。
多分だが相手の顔をを破壊したからだろう。
原理は分からないがとにかく顔を潰せば相手は死ぬか身体能力が落ちるだろうと当たりをつけまた攻撃をしようとする。
だが相手もやられっぱなしではなく相手は肉の腕で僕を殴ってきた。
「クッ…結構速いからシャレにならないなギリ避けれたからいいけど…とりあえずまた喰らえ!」
そうして僕は石を持った手で相手の顔を思いっきり殴りつける。
グシャっと言う音共に相手の顔をは動かなくなりそれと同時に相手の身体は機能停止したかのように止まり倒れた。
「オエッッ僕が…殺したのか?はぁ…はぁ…でも仕方ないんだ…こうしないと僕が死んでいたんだからッ…」
そう自分で結論で付けた瞬間パンパカパーンとファンファーレが脳内で響く。
「この音はまさか!ステータス!」
ブォンと音とともにゲームのようなステータスが現れた。
新井 優(あらいすぐる) レベル3
【異能力】
・異食
【スキル】
・鑑定
・アイテムボックス
・ステータス表示
・精神異常耐性レベル1
・深淵魔法レベル 1
【称号】
・異界へ来た者
「ステータスがでるってことは…ここは一応異世界なんだな…まぁ、称号には異界と書いてあるが…てかなんでステータス表示と鑑定を持ってるんだ?しかもアイテムボックスまで…後この精神異常耐性?深淵魔法とは??称号のせいかな?」
ステータスは本来の特殊な魔導具か異世界でしか表示できない原理は分からないがそうなっている。
僕は称号をタッチしてみてみた。
・異界へ来た者
普通では絶対に行けない異界にたどり着いたものに与えられる称号。鑑定スキルが使えるようになる。また精神異常耐性が付き深淵魔法が使えるようになり肉や血を飲んでも害を与えない体になる
やっぱり称号のせいか…これは強いが…なんだよ肉や血を飲んでも害を与えないって……まるで食べることを推奨してるみたいだな…後この深淵魔法ってなんなんだ?これも詳細も見てみる。
・深淵魔法
自分の精神を削って使う魔法。
精神削る分強力な魔法が使える。
レベル1
破裂[破裂させたい場所を思い浮かべ唱えるとその場所が破裂する。また精神を削る度合いによって強さが変わる。]
溶解[溶解させたい場所を思い浮かべ唱えるとその場所が溶解する。精神を削る度合いによって強さが変わる。]
再生[自分が思い浮かべた場所を再生する。精神を削る度合いによって強さが変わる。]
精神を削ってやるってのがどれぐらいにかによって変わるな。
まぁ極力使いたくないがな…絶対ろくなもんじゃない…てか精神異常耐性があるから結構落ち着いてたのか…なかったらあんな奴ら見ただけで立てなかったんだろうな…
とりあえずステータスはいい…さっきアイツらからドロップしたものがあるからそいつもみたい。
っとあの肉塊からドロップしたのは…うん肉だな…後は試験管に入った血だ。
いやもっといいもん落とせよ何肉なんだこれ絶対やばい肉だろ…一応どっちも鑑定してみるか。鑑定!
・ツインヘッドの肉[生前夫婦だった物の肉の塊で構成された肉]
・増強血[これを飲むと力が増す。夫婦だった物の血で構成されたもの]
胸糞悪い!!…キッツイなぁほんとになんでこんな目に遭わなきゃならないんだよぉ…そんなこと言っても無駄か…とりあえずこれどうしようか…肉ってこいつらのしかないんだよなぁスーパーとか他の家とかみてみたけどなかったしさすがに人肉食うのはなぁ…
グゥゥゥ〜…ハラが減った…もう食べるものも何も無い…これを食べるしかない火の起こし方も知らないから生で食べなきゃならないが…だがこれを食べて人間でいられるか?同じ人の肉なんだ…
でも食べなきゃ死ぬ…僕は生きて帰るんだ!例へそれが人間をやめる結果になっても…
そうして俺は人肉を手に取り肉にかじりついた。
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