第2話 大どんでん返し

 1980年12月1日 - 神戸市の葺合区と生田区が統合され中央区となる。


 新宿歌舞伎町の地下深く、かつての拠点となったクラブは、緊張感に包まれていた。

 裏切りによって失った地位を取り戻した、台湾グループの新たなボス、チャンは、冷徹な眼差しで部下たちを見渡す。かつての豪華な内装は、激しい銃撃戦の跡が残る荒廃した光景へと変わっていた。

「全員、気を引き締めろ。警察は、俺たちを再び追い込もうとしている。だが、もう二度と、あの失敗を繰り返すわけにはいかない」

 張の言葉に、部下たちは静かに頷く。彼らは、張のカリスマ性と冷酷さを信じていた。

 一方、警察もまた、張の動きを警戒していた。

 新宿警察署のベテラン刑事、三上は、張の復活を予期していた。彼は、張の残党が、新たな資金調達のために、大規模な薬物取引を計画しているという情報を入手していた。

「張は、絶対にこのままでは終わらせない。必ず、仕返しをしてくる」

 三上は、相棒の山崎にそう告げる。山崎は、最新の捜査機器を駆使し、張の動向を追跡していた。

「あの男は、狡猾で危険な相手だ。油断は禁物だ」

 そして、ついに両者の対決の時が来た。

 張は、新たなアジトで、大規模な薬物取引を敢行しようとしていた。警察は、その情報を掴み、アジトを包囲。激しい銃撃戦が繰り広げられる。

張は、部下たちと共に、警察の包囲網を突破しようとする。だが、警察の包囲は厳重で、なかなか抜け出すことができない。

 絶体絶命のピンチに、張は、昔からの仲間であり、裏切った男を呼び出す。

「お前を許すつもりはない。だが、今、俺にはお前が必要だ」

 張の言葉に、男は複雑な表情を浮かべる。

「なぜ、俺を信じる?」

「お前は、俺の能力を誰よりも知っている。そして、お前も、この組織が必要だ」

 男は、一瞬躊躇した後、張の言葉に頷いた。

 二人は、共に警察の包囲網を突破し、アジトから脱出する。

 しかし、彼らの逃亡は、これで終わりではなかった。警察は、執拗に彼らの後を追っていた。


 12月2日 - 名古屋女子大生誘拐殺人事件:金城学院大学3年の女子大生A(当時22歳:愛知県名古屋市港区在住)が誘拐され、Aの家族に身代金3,000万円を要求する電話がかかる。翌1981年1月20日、犯人の木村修治が逮捕され、同年5月5日には木村の自供通り木曽川(東名阪自動車道の木曽川橋付近)でAの絞殺死体が発見される。木村は1987年に最高裁で死刑が確定、1995年12月に名古屋拘置所で死刑を執行された。


 12月12日

 日本の自動車生産台数が世界第1位に。名実ともに「自動車大国」となる。


 最高裁、死刑が確定していた免田事件の死刑囚・免田栄の再審開始を決定する。


 近藤真彦がRVCより『スニーカーぶる〜す』でレコードデビュー。


 12月13日 - 最高裁、徳島ラジオ商殺し事件の再審決定。


 12月19日 - エイチ・アイ・エス(当時はインターナショナルツアーズ)設立。

    

 12月27日 - 小田急7000形電車(ロマンスカーLSE車)、営業運行開始。


 この月、戦前にスタートした、田河水泡の漫画『のらくろ』が完結。発表期間はちょうど50年に及んだ。

 

 張は来栖って医者からもらった薬を飲んだ。

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