第六章 メディの物語 白い牝鹿のスターウォーズ

けつを叩かれ軍事監視官


 エルゲネコン蒼天宮所属のメディは、妹ハディとともにウマイ女神に仕えているが、自分はハディほど美しくはないと理解している。


 2人の母の従表姉妹(はとこ)であり、上官でもある『側女待遇格子 ウーラポーセン』の美貌を目の当たりにすると、とてもとてもというのが本心なのだ。


 しかし聡明なハディは姉の優れているところをチャンと理解していた。

 メディは母に似て働き者、そして底抜けに明るい……ただ美貌という点に限ると……ウマイ女神様の覚えをもっと良くしていただきけないかと……

 そこでハディは考えた……ちょっと可愛い姉がウマイ様に……


* * * * *


「まったく、ハディときたら!」

 珍しくメディは上司でもある母の従表姉妹(はとこ)であり、上官でもある『側女待遇格子 ウーラポーセン』に愚痴をこぼしていた。


 傍系でもあるので、親族とは呼べないほどの関係ではあるが、メディたち姉妹にとってウーラポーセンは歳の離れた姉というべき存在である。


「どうした、メディ?」

「聞いてください!ハディったらアイハン様にお願いするのですよ!私が夜伽が下手だからもっとうまくなるために、『中原三宮夜伽技能講習会』に私を推薦してくれって!」

 『中原三宮夜伽技能講習会』とは、妓楼の女に女同士の夜伽のテクニックを目の前で実演、それを学ぶというもの。


 その気のある者が参加すると効果抜群で、当初希望すれば参加できたのですが、参加希望者があまりにも多く、主催する東岳泰山碧霞宮所属以外の中原ホームの女官は上位者の推薦がいるのです。


 メディはエルゲネコン蒼天宮所属なので、ホーム責任者であるアイハンの推薦が必要なのです。


 ちなみに中原三宮以外の参加希望の女官は抽選、しかも参加費用も発生します。

 まあ、参加費用は当選したら個人で立替て、所属ホームに申告すれば大抵のホームでは返金してくれるようです。


「アイハン様の推薦はあったのか?」

 ウーラポーセンに聞かれると、顔を真っ赤にしたメディでしたが……

「ありました……参加したのですが……あんまり成績が良くなくて……」

 メディは目の前で繰り広げられる行為が恥ずかしくて……パニックになったようなのです……


「でもメディは格子だろ?ウマイ様にご奉仕したのだろ?まさか……いや、私の親族だから……ありえるか……」

「ウマイ様とのベッドで、デーンと足を広げて寝ていたのか?」

「その……わかってはいるのですが……どうすればよいか、わからなくて……」

「だから『中原三宮夜伽技能講習会』だろう?」


「あんなことをしなければならないのですか?」

「当然だろう?ハディはそのあたり、うまかったと聞いたぞ」

「妹は聡明ですし……意外に大胆で……」


「ウマイ様と何回か契ればそんなことなくなるのだが……なにかいい方法がないかな……ん!」

 ウーラポーセンは閃いた!


「メディ、こんどファミリアーサバトがあるが、見学したらどうか?」

「女官がご寵愛を受けるために、どんなことをするか見てみろ、たぶん『中原三宮夜伽技能講習会』どころではないと思うぞ」


「処女が多いが、大体の者は覚悟して夜伽技能を磨いてきているはずだ、中には講習を受けているものもいるだろうが、大抵は自分で考えていると聞いている」

「私もな、最初はベッドでデーンとしていた部類だ、アイハン様に目から火が出るほど叱られたよ」


「ウーラポーセン様は効果はあったのですか?」

「……実は『中原三宮夜伽技能講習会』は受けたことはあるのだが、私は体が硬くてな……」

「特におすすめといわれたやり方だと、ウマイ様は大丈夫だが、受ける私はその体位をできなくてな……」

「柔然戦女隊長のクリーはうまかったな……」


「特におすすめって、最後のやつですよね、腰から上を逆立ちにして、足を開いてあそこを擦るのでしょう?」

「とてもじゃないけど無理です……ハディならできそうですが……」


「ウーラポーセン様はウマイ様のご寵愛をどうして得たのですか?」

「私か?私は戦ったのさ、ウマイ様は私の戦いぶりをお褒め下さり、私が床が下手でもお呼びくださる……」


「そのうち、だんだん夜毎のことができるようになる、というより体が動く……」

「自然と足が開き、無意識に腰を動かしてしまう、恥ずかしいなんてのは消えてしまう」


「しかしどうするか……なら……未開発世界軍事監視官を希望するのはどうだ、結構ローカル紛争があると聞く、武勲を立てたものはかわいがっていただいて、そのあと豹変するようだ」

「思うにウマイ様は、無骨な女を『調教』するのはお好きのようだ」


「私はそのほうが似合っているように思えます……」

「そうだな……私もそのほうがいいように思えてきた……」

「幸い私はメディの上司、推薦は不思議ではない……」


 ということがあり、メディは未開発世界軍事監視官を希望。

 ミリタリー統合軍事大学校の未開発世界軍事監視官育成コースに通い、めでたく未開発世界軍事監視官になったのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る