きみがいない世界の作り方
彩世ひより
プロフィール および設定
【夏野遥】
性格面:やや内向的。過去のトラウマにより自分に自信がなく、クラスでは孤立しがち。
容姿:元女優でタレントの母譲りの美しい容姿。周囲の評判は上々(だけど耳に入ってない)高校1年生にしてバストサイズが【当人希望により削除】を越えており、それが目下の悩み。肩にかかるくらいのさらさらのストレートヘア。生まれつき色素が薄い。
目元はぱっちりとしていて、やや童顔。背は低くないものの、そのバストサイズからトランジスタグラマーに見られがち。パステルカラーの服装を好むが、鏡に映った自分の姿を見ると太っているように感じてしまい、嫌悪感を抱く。かといって黒が似合うタイプでもない。
趣味:料理が得意で、自分や妹のためだけでなく、コンビニ店長の千秋の昼食や、輝夜と小鞠におすそ分けする分まで作っている。日本語の様々な面を学ぶことが好きで、将来は文学部への進学を希望。
特技:ガチャの10連でピックアップキャラを当てる、速読。輝夜の陰で目立たないものの成績は実は優秀だったりする。
【夏野彼方】
性格面:誰とでも分け隔てなく接する、人当たりの良い性格で、交友関係は広い。誰とでも仲良くなれるように見えるが、かなり根に持つタイプで、特に姉の悪口を言う人間は絶対に許さない。現在中学二年生。
容姿:ハーフの祖母からの隔世遺伝で、自称「ねずみ色」の髪を持ち、母譲りの美貌も姉と同様に受け継いでいる。ただ姉とは異なり、スレンダーなモデル体型で、身長も姉より高い。そのため遥をトランジスタグラマーだと勘違いさせている要因でもある。
趣味:小学校高学年からソシャゲにハマり、特に百合要素のあるゲームを好む。姉にも自分が好きなゲームを勧めているが、遠回しな言い方のため、姉は全く気づいていない。アニメも好きだが、運動系の部活に入っているため、リアルタイムで視聴することにはこだわっていない。
悩み事:姉と同じ高校に通いたいと思っているが、学力的に少し厳しく、青葉ヶ丘高校は運動系の部活も盛んではないため、先生には反対されている。
特技:ゲテモノ食【内容は検閲のため削除】
【春川輝夜】
性格面:誰とでも仲良くなれるように見えるが、実は発言の一部始終を記憶しており、時折相手を凍りつかせるようなことを口にしては、そのたびに小鞠にフォローしてもらっている。
学力面でも運動面でも優秀な天才肌だが、絵だけは壊滅的に下手。断言を避ける癖のある遥にさえ「絵はやめておいた方がいいのでは?」と指摘されている。
容姿:黒髪ロングの美少女。切れ長の目が少し冷たい印象を与える。スレンダーなモデル体型で、遥よりも身長が10cmほど高い。しなやかで筋肉質な体型のため、遥と並ぶと、遥がグラマラス(遠い目)に見えてしまう。
趣味:小さな頃から幼児向けアニメを見て育ち、成長してもニチアサだけは寝坊しない筋金入りのアニメオタク。ラノベや漫画も読むが、どちらかといえば時間がかからない漫画を好む傾向がある。ややSっ気のある性格。運動系の部活に助っ人として参加するのは合法的に相手を叩き潰【検閲により削除】
特技:完璧な記憶力を持つため、仕事では重宝されている。能力が高すぎるので(やめられたら困る)メイド喫茶では特別な仕事は任されていない。
悩み事:家が金銭的に苦しいため、高校生としては不適切なバイトも高時給という理由で頑張っている。高校卒業後は就職するつもり「イラストレーターとかになれたらいいわね」とは彼女の言。
【九重千秋】
性格面:「元ヤンなのでは?」「特攻服とか着てそう」と周囲から評判なものの、普段から眠いのと単に目つきが鋭いだけで全て勘違いである。口調は少々荒い。
中学時代はオタク系の女子として孤独を味わっていたが、高校時代にコスプレに出会い、周囲から持ち上げられることで「生ける伝説」とまで呼ばれるようになった。
実家は裕福で、コンビニ勤務で一生食べていけるだろうと考え「面倒ごとは嫌い」と言っていたが、美奈子が過去の写真を持って脅迫し、娘の面接を強要され運命が変わる。
容姿:間違ってもオタク女子には見えないような感じ、都内を肩で風を切る感じで歩くOLを目指している。高校時代は、童顔の目元パッチリの巨乳レイヤーとして売っていたが 全て手作りだった(遠い目)身長は小鞠よりも高く輝夜よりも低い。
特技:相手のスリーサイズを目視で当てること。ただしその反応が面白い相手に限る。
悩み事:好きな相手が未成年なこと、黒歴史がバレてしまうこと。
【柊小鞠】
性格面:一見ゆるふわ系のポワポワ女子に見える小鞠だが、実は毒舌ですぐに手が出るという二面性を持つ。
本人はそのギャップにコンプレックスを抱いているが、遥は「完璧すぎる人は怖い」と、むしろ好意的に受け止めていた。
しかし、この言葉が「2番手でもいい」と思っていた小鞠の心を揺さぶり、「何が何でも遥を手に入れたい」という決意をさせることになる。
容姿:肩までのクリーム色のウェーブヘアが、柔らかな印象を与えている。
輝夜とは対照的なほんわかとした雰囲気の美人。スタイルも良く、遥ほどではないが胸は豊か。
特技:人の頭を掴んで持ち上げ【以下検閲により削除】
悩み事:料理が壊滅的に下手なことと、食べたものがすぐに体型に反映されること。
以下 ネタバレ自己紹介
夏野 遥(なつの はるか)
本作の主人公。銀髪と青い瞳を持つロシアンクォーターだが、本人は自分のことを純粋な日本人だと思い込んでいる(あるいは、そうあろうとしている)節がある。
普段のやや遠慮がちな口調と内心の口調が安定しないモノローグとの乖離が激しく、精神的にやや不安定な側面を覗かせることも。
その不安定さは主に中学時代の深刻ないじめによるトラウマが原因となっている。
しかし高校に入学し、輝夜や小鞠といった友人たち、そしてエレアノーラの編入などを経て、少しずつ精神的な成長を見せ始めている。
以前は押し殺しがちだった「怒り」といったネガティブな感情とも、不器用ながら前向きに向き合えるようになってきた。
特筆すべきは異常なまでに他人の感情や場の空気を読み取る能力の高さ。
これは過去に嫌がらせを受けていた際に相手の悪意や嘲笑を的確に読み取ってしまった経験から、過剰に発達してしまった側面もあるようで、当時はその能力ゆえに「気味が悪い」と、かえって孤立を深める原因にもなった。
色素が薄い銀髪はショートカット。本人は髪を長く伸ばすことに強い抵抗を感じているが、それはおそらく、過去に髪を引っ張られたり、その珍しい容姿を揶揄されたりした経験が、今もなお強い影響として残っているからだろう。
――なお、物語の初期段階では彼女にはさらに複雑な背景設定が存在した。
前世はとある乙女ゲームの世界における「悪役令嬢エレアノーラ」であり、さらにその前々世は、現代日本で事故によって命を落とした普通の女子高生だった、というものである。
前々世の記憶(乙女ゲームの知識)を持っていた彼女は(作中で、遥が時折、自分が知るはずのない知識を垣間見せるのは、その設定の名残である)転生先の乙女ゲーム世界で女神から「今度こそ幸せになりなさい」と願われる。
しかし自分が幸福になることで、本来のゲームヒロインが不幸に見舞われる未来を知ってしまった彼女は、自ら死を選び、その魂を憐れんだ女神によって、三度目の生として現在の「夏野遥」へと転生させられた……という設定が考えられていた。
夏野 彼方(なつの かなた)
主人公・遥が、文字通り目に入れても痛くないほど溺愛する最愛の妹。
銀髪碧眼の美少女で、姉とは対照的に、明るく社交的な性格……だったはずが物語が進むにつれて、その存在感はもはや風前の灯火、すっかり影が薄くなりつつある。
かつては姉からの絶対的な愛情と庇護というその恵まれた立場にあぐらをかいていた節もあり、そのバチが当たった可能性も否定できない。
姉のためなら何でもするという健気な一面も持つが、その行動原理は、必ずしも「姉が喜ぶこと」ではなく、むしろ「自分が満足すること」に重きが置かれている場合が多く、その自己中心的な部分もまたバチが当たった原因かもしれない。
――物語の初期構想では遥の前世とは直接的な関連を持たない人物でありながら、遥を転生させた女神が、彼女の精神的な支え、あるいは「守るべき対象」として、意図的に配置した特別な存在とされていた。
それはつまり、遥の前世における「乙女ゲームの世界」そのものにも似た役割であり、彼方に対しては、遥がどんな過ちを犯そうとも、最終的には必ず許し、庇護してしまう、という一種の呪縛のような設定が付与されていた。
姉と同じ銀髪なのは単なるロシアンクォーターの血筋というだけでなく実は人間ではない、特別な存在であることの証……という裏設定も存在したが物語の方向転換に伴い、その設定も因果の彼方へと消え去ってしまった。夏野彼方だけに……。
春川 輝夜(はるかわ かぐや)
本作におけるメインヒロイン……のはずだが、熾烈なヒロインレースにおいては、やや脱落気味の感も否めない。主人公・遥からの好感度は間違いなく最も高い一人であるが、もしかしたら、その初期位置のアドバンテージに少しあぐらをかいているのかもしれない。
艶やかな黒髪ロングの美しい容姿を持つが残念ながら胸は控えめ(本人談)
成績は常にトップクラス、一度見聞きしたことは忘れない完全記憶能力などチート級のステータスを誇る。
――その卓越した能力には、実は理由があった。かつての構想では、彼女は遥の前世(悪役令嬢エレアノーラ)が生きた乙女ゲーム世界における、本来の「主人公マリー」であり、ゲーム世界での経験を経て、様々な能力を獲得したとされていた。
遥と名前(厳密にいえば名字)が似ているのも、転生する際に「もう一度別の世界でエレアノーラに会いたい」と強く願った結果であるという設定だった。
また彼女が持つ豊富なオタク知識も、元々彼女自身が持っていたものではなく、前世において、悪役令嬢エレアノーラから熱心に手ほどきを受けた様々な知識や物語を、今でも鮮明に記憶しているから、という背景があった。
柊 小鞠(ひいらぎ こまり)
ヒロインレースの先頭集団を走っている(ように見える)有力候補の一人。遥に対して強い執着を見せるものの、それが必ずしも恋愛感情に直結しているわけではない、という複雑な立ち位置にいる。
――というのも物語の初期構想において、彼女の正体は遥の前世(悪役令嬢エレアノーラ)や、その元となった人格を転生させた張本人、すなわち「女神」そのもの。
女神としての彼女の目的はただ一つ「今度こそ、夏野遥(エレアノーラ)を絶対に幸せにする」こと。そのための最強の守護者(ガーディアン)……のはずだったのだが、その設定が物語の都合上まるっと削除されてしまった結果、現在はただの「人外じみた怪力を持つ、ふわふわ系美少女(ただしキレると怖い)で、絶対的な正義感を持つガール」になってしまった。
元々の設定では、彼方(女神が配置した存在)が遥の精神的な支え(お目付け役)であるならば、輝夜(転生した元主人公マリー)は、女神である小鞠自身が、かつて遥(エレアノーラ)の死の原因となった存在として、監視すべき対象であった。
そのため、本来はもっと険悪な関係になるはずだったのだが……女神としての(元)矜持や、輝夜自身の善良な人間性のおかげか、あるいは単に設定が消えたからか、二人の間に険悪な空気が流れる様子はまるで見られない……。
九重 千秋(ここのえ ちあき)
主人公・遥がかつてアルバイトをしていたコンビニの元店長。面倒見の良いお姉さん的存在で、遥にとっては頼れる年上の友人でもある。
――かつての構想では、彼女は遥の前世(悪役令嬢エレアノーラ)に仕えていた忠実なメイド「ルーシー」という少女の記憶を持つ存在……のはずだった。しかし、その設定は、物語が始まる前に遥か彼方へと消え去り、現在は単なる「ちょっと訳ありな過去を持つ(かもしれない)面倒見の良い綺麗なお姉さん」になってしまった。
その上ヒロインレースからは完全に脱落気味であり、現世では、遥がきっかけでエレアノーラに新しい仕事を斡旋してもらう、というおまけまで付いてしまった。メイドとしての矜持は、一体どこへ行ってしまったのか……。
とはいえ、その(消えたはずの)設定の名残なのか、家事全般は完璧にこなすスキルを持っており、実は遥に生活の面倒を見てもらわなくても、大抵のことは一人でそつなくこなせる。
……何の因果か現世でもエレアノーラのお世話係をやる羽目になってしまったようだが、強く生きてほしいと願わずにはいられない。
赤井 詩亜(あかい しあ)
遥のクラスメイトであり友人グループの一員。快活で、ややボーイッシュな魅力を持つ少女。
――物語の初期構想では、遥の前世(悪役令嬢エレアノーラ)の取り巻きの一人であり、赤い髪を持ち、炎系の魔法を得意とする少女、という設定だった。
エレアノーラに対しては絶対的な忠誠を誓っており、本来の乙女ゲームのシナリオであれば、主人公であるマリー(輝夜)とは敵対する関係性になるはずだった。
しかし、悪役令嬢らしからぬ行動を取るエレアノーラはそれを許さず、結果的にマリーとも温厚な関係を築いていた。
エレアノーラが非業の死を遂げた後も、打ちひしがれるマリーを慰め、支えていた、という健気な設定があった。
しかしながらその前世設定が全てなくなってしまった結果、元女神である小鞠に対してなぜか漠然とした恐怖を感じているという描写や、輝夜とは(前世での経緯もあり)比較的仲が良い、という設定も、ほぼほぼ消滅してしまった。
友人グループ(可憐、久凪、詩亜)の中では、おそらく遥からの好感度は一番高いと思われるにも関わらず、なぜか作中では何かと放置されがちな不遇な扱いを受けている。彼女にもまた、強く生きてもらいたいと願うばかりである。
青山 久凪(あおやま くなぎ)
遥のクラスメイトであり友人グループの一員。物静かで、理知的な雰囲気を持つ少女。
――物語の初期構想では、彼女もまたエレアノーラの取り巻きの一人であり、青い髪を持ち、氷系の魔法を得意とする少女、という設定だった。本来の乙女ゲーム世界では、特に裕福な家の出というわけではなかった(それでも、それなりの貴族令嬢ではあったが)彼女が、現世において途方もない資産家の令嬢として生まれたのは、遥を転生させた女神が「遥ちゃんは、何かと自分の持っているものを、見返りを求めずに人にあげてしまう癖があるから、それを経済的にサポートできるような人を近くに配置しておこう」と、ある種のバランス調整として設定してしまったからである。
前世においては、友人グループ(取り巻き三人娘)やエレアノーラに対しては、忠実で献身的な姿を見せていたものの、主人公マリー(輝夜)に対しては、最後までどこか打ち解けられない、見えない溝のようなものが存在していた。
――そのせいか現世においても、輝夜とは特に親しい間柄であり、彼女が身につけているコスプレ衣装(ゲームのキャラクターなど)の多くは、実は久凪が提供したものである。
遥とも仲良く過ごしたいと願う一方で、輝夜との特別な関係も大切にしたい、という密かなジレンマを抱えている……のかもしれない。
木村 可憐(きむら かれん)
遥のクラスメイトであり、友人グループの一員。そして、人気Vtuber「カレン」の中の人でもある。普段は厚底メガネと長い前髪で素顔を隠しているが、その実、アイドル級の美少女。
――物語の初期構想では、彼女もエレアノーラの取り巻き三人娘の一人であり、三人の中では最も家柄が良い(公爵家であるエレアノーラに次ぐ侯爵家)という設定だった。
そのため何かとプライドが高く、当初は主人公マリーに対して高飛車な態度を取るキャラクターだった。
しかし、その一方で能力も非常に高く、文武両道……だったものの、悪役令嬢らしからぬエレアノーラの行動や人柄に触れるうちに、すっかり絆されてしまい、最終的には三人娘の中で唯一、エレアノーラの非業の死を追うように、自ら命を絶った、という悲劇的な設定があった。
その壮絶な最期とエレアノーラへの忠誠心ゆえか、転生を司る女神からの寵愛も深く、現世において遥からの個人的な好感度はさておき、何かと物理的な距離が近く、重要な役割を担うことが多いのは、その影響である……とされていた。
――もっとも、その前世編そのものがボツになった現在では、単に「何かと距離感が近く、時にグレーゾーンな行動も厭わない、面白い女の子」と覚えておけば、だいたい間違いないだろう。彼女にもまた、強く、そして幸せに生きてもらいたい。
春夏秋冬 まどか(ひととせ まどか)
遥のクラスメイト。かつて中学時代に、遥をいじめていたグループの中心人物。
――物語の初期構想では、彼女にも前世設定が用意されていた。遥の前世(悪役令嬢エレアノーラ)の行動を導き、時に的確なアドバイスを与え、時には彼女のためを思って厳しい言葉も投げかける……そんな導き手の「妖精」のような存在のはずだった。
しかし最終的にエレアノーラは、彼女(妖精)の忠告を無視する形で、自ら死を選んでしまった。
そのため転生を司る女神からの心証も極めて悪く、現世ではこのような、非常に不遇な立ち回りになってしまった、という経緯があった。
もちろん、エレアノーラ(遥の前世)は、彼女と仲違いをしたつもりなど毛頭なく、もし前世の記憶を取り戻したならば、過去の行き違いについては水に流し、再び友人として仲直りするはずだった……。
しかし、その前世設定がまるまるなくなってしまった結果、現世の彼女には「遥をいじめていた」という過去だけが、重くのしかかることになってしまった。あまりにも不遇すぎるキャラクター……。
まあ、自業自得、いじめっ子の末路としては、あるいは妥当なのかもしれない。
現在の遥も、どうにもこうにも彼女を完全に許すつもりはない模様だ(プロット変更により、和解ルートは消滅した)
作中で、ローカルタレントだったり、ローカルアイドルだったりと、その肩書きや扱いが一定しないのは、主人公である遥自身が彼女のことを割とどうでもいい、と内心考えているからである。
――とはいえ、彼女もまたどうにかこうにか、強く生きていってもらいたい。最近では、エレアノーラ(現世)の後ろ盾もあってか、細々とながらも芸能活動はようやく少しだけ軌道に乗り始めたようだ。
エレアノーラ・メイヴ・フィッツジェラルド
アイルランドからの転校生。腰まで届く美しい金髪と、透き通るような青い瞳を持つ、人形のように整った容姿の美少女。通称「姫様」
彼女には、他の主要キャラクターたちのような、複雑な前世からの因縁は(今のところ)存在しない。物語への登場は比較的最近であり、主に遥への強い好意と、その天真爛漫で予測不能な行動によって、物語を引っ掻き回す役割を担う。
アイルランドでは王族とも深い繋がりを持つ、由緒正しい貴族の家系の出身らしい。たまたまインターネットで見かけた、青葉ヶ丘高校のスクールフェスティバル(文化祭)における遥のコスプレ姿(リアルカレン)を見て「私の運命の人は、この人に違いないわ!」と一方的に確信。
そこから猛烈な勢いで日本語を勉強し、わずか数ヶ月で、日常会話にはほとんど不自由しないレベルまで習得。半ば強引に日本の高校、しかも遥と同じクラスへと編入してきたという驚くべき行動力の持ち主。
どこまでが冗談でどこまでが本気なのか、本人以外には分かりづらい、掴みどころのない性格をしている。
しかし人の感情を読む能力に長けた遥は、その言動の裏にある真意を比較的正確に読み取ることができるようだ。
そのためエレアノーラからすれば、自分のことをここまで理解してくれる遥というのは本当に面白く、興味深い、そしてかけがえのない存在なのだろう……まあ、そんな彼女の突飛な言動に、日々振り回されているであろう使用人の方々は、本当にお疲れ様です、としか言いようがない。
ブリジット・ウォルシュ(ブリジット・メイヴ・フィッツジェラルド)
エレアノーラに常に付き従う、有能かつミステリアスなメイド。凛とした佇まいと、隙のない完璧な所作、そして主のためなら手段を選ばない(ように見える)冷徹さを併せ持つ。
一見すると遥に対して何かと敵対的な態度を取っているように思わせるが、その実、内心では遥のことを高く評価しており、むしろかなりの好感を抱いている節がある、複雑な人物。
名前の欄に意味深に記されている通り、実はエレアノーラの「姉」
もともと日本にやってきたい、と密かに考えていたものの、最後の一歩を踏み出すきっかけが掴めずにいた。しかし、そんな時に遥の写真(例の隠し撮り画像)を目にし「この子なら、きっと私の可愛い妹(エレアノーラ)に良い影響を与えてくれるに違いない」と考え……結果的に、それがエレアノーラの日本留学、そして自身の来日への、最後の一押しとなったようだ。その目論見は、見事に当たったと言えるだろう。
そのため、実は遥に対して内心では死ぬほど感謝している。そして日本での生活をすっかり気に入り、可能であれば永住――その果てには、この日本の地で骨を埋めることすら考えているらしい。……そこまでいくと、遥としては、さすがに少し迷惑に思うのかもしれない……いや、彼女のことだから、意外と喜んで受け入れてしまうのかもしれないが。
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