6
すると、ぴたっと生きている人間の女の子と隠れているタタの目があった。
その瞬間、二人ともびくっとして、驚いた。
「あなたは誰?」と生きている人間の女の子は目を大きくして、可愛らしい声で言った。
タタはそっと、反射的に隠れてしまった豪華な衣装の椅子の後ろからまた顔だけを出して、「……、タタ」と自分の名前をとっても小さな声で言った。
「たた」と生きている人間の女の子は可愛らしい声で言った。
「初めまして。たたちゃん。わたしはにこって言います。よろしくね」とにっこりと笑ってにこはタタにそう言った。
そんな人間の女の子、にこのことをじっとタタは熱い眼差しで見つめている。
するとにこはえへっと笑って、興味津々と言ったような顔で、とことこと歩いてタタの隠れているところに近づいてきた。
タタはにこがこっちにやってきて、慌ててしまって、どうましましょう、と言ったような混乱しているような顔をする。
するとタタの背後の闇に紛れ込むようにしてその姿を隠していた影の獣のカカがゆっくりとその大きな体を動かして、にこの前にその恐ろしい姿をあらわした。
そのカカのことを見て「うわ、でっかい猫ちゃん!」とにこはその可愛らしい顔をきらきらとさせてカカをじっと見つめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます