元世界一のプロゲーマー、TSしてVtuberになる！？

第1話 TSと身勝手な奴。

夕日が眩しい通学路を歩いている男子学生が一人。

肩まで伸びた黒髪に、真っ白の肌。身長は150もない。

…それでも性器は男性のものなので男子だ。

名前は「二本樹ゆうな」

全国で約10名しかいない、稀な苗字を持っている。

「ゆうな」という名前ではあるが男子だ。男子ったら男子！

そんなゆうなだが、奇妙な現象が身に起きた。

それが―――

「なにこれぇぇぇぇぇぇぇ！？」

女体化…所謂「TS」だ。

「うぅ…なにこれ…なんで女の子になってるの？昨日まで男の子だったよね？」

今の容姿をお伝えしよう。

髪は黒の腰まで、肌は変わらない。身長は更に縮んだ。胸は…少し、いや、かなり大きい。

ボンキュッボンという体型なんだろう。しらんけど。

（お姉ちゃんに連絡しないと…）

そう、ゆうなには姉がいる。

性格が少しアレだが…。

『もしもし？マイエンジェルの弟きゅんかな？』

「ねぇ、毎回思うんだけどさ。ちょっとキモイ。」

『ゑ…？嫌われた？死のう。』

「ちょっまっ死なないで！」

『よし。生きるよ☆』

性格があれだと言ったが、そう。極度のブラコンなのである。

『むっ…！知らない女の声が聴こえる…。名乗りを上げろー！』

「えっとぉ、うん。僕だよ？二本樹ゆうな。」

『…ひとまず、ゆうな本人だと仮定して話を聞くわ。なんのようで？』

「…聞いて驚かないでね？僕、女の子になっちゃった」

得意げな顔で僕は言い放った。顔は見えないけどね。

『は…？For◯niteとか、Mine◯raftのやり過ぎで頭の病気になっちゃった…？』

「違う。断じて違う。そんなにしてないし。ゲーム。」

心外だわぁ〜。そんなふうに思われてたとはね。うん。

『え？でも、一日10時間はやってたよね？格ゲーからFPS、音ゲー、リズムゲーム、お姉さん系のエッチなやつもやってたよね？特に、クール系のお姉さんと添い遂げていたよね。』

「なんで知ってるの！？封印してたはずなのに！」

なぜだ…？金庫の奥に収納していたし、そもそも最後にやったのは…小学生の時だったはずなのに…。

『…ねぇ。』

「ん？なに？お願いなら間に合ってるよ。」

『まだ何も言ってないんだけど！？』

「で？なに？」

『事後報告で申し訳ないんだけど…』

「ん？」

『vtuber事務所に応募しちゃった☆』

「は？」

は？

「何を四天王！？」

『えへ☆』

「今すぐ、その、応募を、撤回しろォ！」