召喚聖女は運命の太陽に導かれて愛を知る
ayame
召喚された聖女の章
第1話 召喚1
「召喚成功だ!」
まばゆい光が満ちる中、薄々瞳を開ければ、私の前には複数の人たちがいた。
全員が全身を覆うようなローブかマントをまとっている。若く見える人もいれば、白い髭を蓄えている人も。目の色も髪の色も多彩で、少なくとも日本人ではないと感じたそのとき。
「無事、聖女召喚に成功したぞ! 私の、このアウリクス大魔道士の御代で、大陸に安寧をもたらす聖女を召喚したのだ! これで我が名は永久にこのカーマイン聖王国の魔塔の歴史に刻まれることになるだろう! なんと素晴らしい……! さぁ聖女よ、私とともに王家に、民衆にその姿を披露するのだ!」
言いながらローブに仰々しい飾りをこれでもかとつけた男性が私に向けて手を伸ばした。こめかみに白いものが混じった髪、浅黒い肌、爛々とした瞳、身長155センチの小柄な私よりもはるかに大きいその身体。
瞬時に以前の記憶が過ぎる。
『―――おまえは俺のモノなんだよ、一生逃げられると思うな!』
すべてを絶望の底に叩きつけるその言葉が頭の中に反響する。記憶の中でも伸びてくる逞しい腕と、目の前のそれが重なったとき―――。
「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
先程と同じ鮮烈な色の光が、私の全身から立ち上った。突き上げられる衝撃に、私は意識を手放した。
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