サッカー転生2
原寛貴
一蹴 タイラーインパクト
「タイラーインパクト‼ タイラーインパクト‼」
平というサッカー部員は、タイラーインパクトというやたら力を込めたシュートを連発する。
「平部員」
「何だよシノブ先輩。平部員って呼ぶな。ヒラ部員みてえだろうが」
「いや、君補欠じゃん」
「補欠じゃねえ、スーパーサブだ! この前ゴール決めたろ!」
「いやいや、あれ私が軌道変えないと枠外れてたから。あとあれはアシストで、ゴールは私の方」
「糞があああああああああああああああああ‼ 糞不平等なんだよ糞神おおおおおおおおおおおおおおおおおお‼」
「急に荒ぶらないで。ほらインパクトの練習練習」
膝から崩れ落ちる平部員を、サカ神シノブ先輩は優しく諭す。
「それにしてもアンタ何だよその格好」
「変かな」
「変ってか変態だな」
シノブは全裸だった。シノブは全裸の方が羞恥心や原始感から神感が生まれやすいというヌード美学を見出し、練習など全裸でも構わない場合では極力全裸でパフォーマンスを上げている。
「君も全裸になりなよ」
「魔法少女みたいに勧誘すんじゃねえ‼ シノブはだかが‼」
「タイラ君も全裸になっちゃいなよ」
「そっちか‼ このチェンソーマン子が‼」
平部員とシノブ先輩の漫才は続く。彼らは夜の牛尾中学校で秘密の練習をしている。平部員はタイラーインパクトの精度と威力を上げ、シノブは
「アンタはドリブルの練習か」
「うん。誰にも止められたくないから。私のマックススピードを」
「加速して初めて、アンタはアンタの先へ行けるんだな」
「うん、アクセルアクセル」
シノブのドリブルは加速し、神の次元へ到達する。この少女を止めることなど、果たして出来るのだろうか。
「俺はタイラーインパクトを極める‼ 俺だって誰にも止められたくねえ‼」
「シュートとドリブルだと、意味は720度違うけどね」
「二周してるだけじゃねえか‼ 俺と世界二周するか⁉」
「それも良いかも」
笑うシノブ先輩に、平部員のインパクトは熱くなる。この先輩こんなに可愛かったっけ、みたいな青い温度が沸騰する。青い温度の正体が
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