第23話 暗雲の中で
ニュードーン本部の崩壊が報じられた翌朝、世界中のニュースは一斉にその事態を取り上げていた。秘密裏に進められていた人間操作計画が暴露され、世論は激しい非難の声を上げている。しかし、それは戦いの終わりを意味しなかった。
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ハルカたちが避難所として使っている隠れ家では、新たな緊張が漂っていた。サミュエルが端末に向かい、急いで手を動かしている。
「ニュードーンが動き出した。奴ら、最後の手段に出るつもりだ。」
彼の声に、エリックが険しい表情を浮かべた。
「最後の手段って…?」
サミュエルは画面をハルカたちに見せた。それには、都市全体に散らばる無数のドローンが赤い点として表示されていた。
「これだよ。ニュードーンは都市中のドローンを使って、人々を完全に支配するつもりだ。」
「そんなこと…どうやって止めればいいの?」
ハルカが震える声で尋ねた。リオは彼女の肩に手を置き、静かに言った。
「僕たちで止めるんだ。これ以上、奴らの好きにはさせない。」
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作戦会議が始まる中、リオはハルカに向き直った。
「ニュードーンのシステムを止めるには、中央タワーにあるメインサーバーを完全に破壊するしかない。」
「でも、そこにはきっと強力な警備がいるわ。」
「そのために僕が囮になる。ハルカとエリック、サミュエルはその間に潜入してくれ。」
リオの提案にハルカは即座に反対した。
「そんな危険なこと、ダメよ!」
「大丈夫だ。僕は逃げるのには慣れてる。」
その笑顔に、ハルカは胸が締め付けられる思いをしたが、リオの決意が揺るがないことを感じ取った。
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計画実行の日がやってきた。朝焼けの光が差し込む中、4人は最後の確認をしていた。
「行こう。」
エリックの合図で、彼らは行動を開始した。
リオは一人でニュードーンの兵士たちを引きつけるため、都市のメインストリートに現れた。彼の姿を見た兵士たちは一斉に彼を追いかける。
「こっちだ!捕まえられるものなら捕まえてみろ!」
その挑発に乗った兵士たちは、リオを追って次々と姿を消していく。
一方で、ハルカ、エリック、サミュエルは中央タワーへの潜入に成功していた。内部は予想以上に厳重なセキュリティだったが、サミュエルの技術力で次々とシステムを突破していく。
「あと少しだ。」
エリックが呟く。だが、その時、アラームが鳴り響いた。
「バレたか…急げ!」
ハルカたちは走り出し、ついにメインサーバールームにたどり着いた。
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メインサーバールームは冷たい光に包まれていた。無数のケーブルとスクリーンが空間を埋め尽くし、その中心に巨大なサーバーがそびえ立っていた。
「これがニュードーンの心臓部か…」
ハルカが息を呑む。
「時間がない。僕が爆弾を仕掛ける。」
サミュエルが準備を進める中、エリックが周囲を警戒する。そして、ハルカはふとリオのことを思い出した。
「無事だといいけど…」
その時、サミュエルが声を上げた。
「できた!離れろ!」
3人は全速力でその場を離れた。直後、爆発音が響き渡り、メインサーバーが完全に破壊された。
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その頃、リオも追っ手を振り切り、隠れ家に戻っていた。息を切らしながらも、彼はハルカたちの無事を信じて待っていた。
そして、数時間後、ハルカたちが戻ってきた。リオは安堵の表情を浮かべる。
「成功したのか?」
エリックが頷き、ハルカが笑顔で答えた。
「ええ、これでニュードーンは終わりよ。」
だが、その笑顔の奥には、まだ解決していない何かが残っているように見えた。
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