第4話

「は?」

何言ってるの?友紀。

「やめてよ、あたしを驚かせるつもり?」

ズキッ

頭に強烈な痛みがはしった。

「………っ!」

波瑠はしばらく頭をおさえていたので

「大丈夫?」

心配そうに理生が聞いてきて

「うん!平気!」

心配させないと慌てて平気なふりをする。

「ごめんね!今日は帰るから!」

そう言って帰宅準備をする。

校門を出るとお迎えが待っていた。

「波瑠お嬢様。お待ちしておりました。」

お嬢様っての嫌なんだけど…。

「ありがとうございます。紗雪さん、雄彦さんとこまでお願いします。」

紗雪さんの家は一見すると至って普通だがお金持ちなのだ。

と言いつつうちの家もかなりの金持ちだからほとんど変わらないと思うけど。

紗雪さんの病院に到着し雄彦さんの元へ一目散に行った。

「紗雪さん、雄彦さん大丈夫ですか?!」

主治医だろうか。私に気づいた。

「娘さんですか?」

「あ、はい!」

「初めまして!娘さん、いえ、皿咲波瑠さらざきはるちゃん!紗雪さん、雄彦さんの担当をさせていただく古河光です。」

先生が挨拶してくれた。

すると看護師が補助で付け足した。

「彼女は普段は有名な大学病院で働いているの。けど忙しい合間をぬって、たまにこっちに来て下さるのよ。彼女は今不治の病て言われる病気の治療の研究をしてる。そして普通なら難しく長時間かかる手術も短縮で終わらせる。世界でもトップクラスの外科医なの。だから安心して」

「すごい!!」

そんなすごい先生が来てくれてるんだ。

「それで本題に入ってもいいかしら?」

「は…はい!」

頷くと先生の顔が少し曇った。

説明を聞いて絶句した。

「治らないの……?」

「怪我は治せる。この病気はちゃんとした治療法がはっきりとしてないの。できることなら治してあげたい。けどそれが出来ない。」

悔しそうにいう先生。

「でもね、今治療法を探してる。あとこの手術で寿命は延びる」

診察室である程度説明が終わる。

今日は帰っていいですよ。と先生に言われた。家でも考えて眠れなかった。寿命は延ばせる。でも延ばせたとしても1年もない。

私はどうすればいいの?

夜は眠れなかった。

翌日──

「おはよー!」

あれから不安で一睡もできなかった。

「ねえ遊ぼ?」

話しかけてきたのは女子グループの子たちだった。

「ごめんね!今お母さんとお父さんが病気で手術どうしようか考えなくちゃいけなくて遊べないや」

血のつながりは無いけれど家族みたいな存在だから。

「また今度遊ぼ?」

「そっか。ごめんね!」

申し訳無さそうにしてきたので

「ううん!誘ってくれてありがとう!」

私は笑った

「はあ~」

溜め息ついた途端ドクンッと何か走った。

「………」

何?苦しい…?息が出来ない。

これ以上家族は失いたくないのに…。

ドサッと倒れこむ。

「え?ちょ…!波瑠!?」

意識が遠のいていく…。

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