だったというのに

第3話

「波瑠~!!」

「わっ!?」

飛びついてきたのは友達の理生だった。

「なんだびっくりした。理生か。」

昼休み。

私は1人数学の予習をしていた。

「ねえ勉強教えてくれる?」

突然話しかけられてきて驚く。

あ、この子…

確か西条凜佳さんでしたっけ?

私と違い明るくリーダーシップ的な存在だ。

「あ、それなら私も教えてほしい!」

1人の女の子が駈け寄ってくる。

「なら俺も!」

次々に駈け寄ってくるみんなに戸惑う。

「みんな順番だよ?」

「すごい!!分かりやすい」

「凄いよ。いつも分かりやすく教えてくれてありがとう!」

素直にお礼を言ってくれると思わなくて目を丸くした。

別にそんなんじゃと思いつつも

「へー。類は友を呼ぶ、、、ね。」

「え?」

キョトンとする凜佳りんかに対し説明すると。

「素敵な人には素敵な人が集まるってことだよ」

目を丸くして固まった凜佳。

「どうしたの?」

「ううん。笑った顔初めて見たなって。」

「そっか。」

あの事件があって以来周りを見るのも怖くなっていた。

人と接することもただでさえ苦手だったというのに。

どこからか私を呼ぶ声が聞こえる。

「る………ちゃ……は……」

波瑠と呼ぶ声がはっきりと聞こえてはっとする。

「波瑠ちゃん?大丈夫?」

心配そうに見つめてくる凜佳。

「ごめん。私……」

そんなときだった。

バンッと思いっきり扉が開く音がしてビクッと震わせる。

「波瑠!!」

息を荒らして私を呼んだ友紀に嫌な予感がした。

「どうしたの?友紀?」

冷静になりつつ聞き返す。

「雄彦さんと紗雪さんがね、事故にあって病院に運ばれたって」

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