海に沈むジグラート11
七海ポルカ
第1話
「ふあ~~~~~。
よく寝たぁ~~~~~~~っっ」
騎士館からイアン・エルスバトが伸びをして出て来ると、外で火を囲んで話していた神聖ローマ帝国軍の兵士たちが立ち上がり、挨拶しようとした。
「ああ、ええねん! そんなことしてくれんで。突然押し掛けて世話かけてもうたのは俺の方やねんから。ほんまにありがとう」
飾り気のない率直な礼を言って頭を下げたイアンに、兵たちの輪の中にいたフェルディナントが笑いながら座る場所を指差す。
「パンとスープがあるけど食べるか」
「おっ。美味そうな匂いやな! んじゃちょっともらうわ」
どうぞ、とすぐに騎士がよそってイアンに手渡してくれた。
「もっとちゃんとした料理は、そこの食堂で食べれますから」
「おおきに。んでもこのパンもスープもちゃんと美味しいわ。こうやって夕食時になるとみんなで食べてんのか?」
「いや。火を焚くようになったのはつい昨日からだ。……ネーリが外で絵を描いたり、みんなと話したがったから、北に増設中の騎士館の作業現場から、木材の欠片を持って来てこっちで燃やしてる。ネーリが竜の絵を描いてたんだが、そうしたら自然とこうやってこいつらが集まるようになって」
「はは……そうなんや。でもええなぁ。こうやって仕事終わりに一つの火を囲んで話したいもんは集まって話すいうんも。ここは戦場みたいなもんやけど、完全なる戦場ってわけでもない。普通の戦場ならこない堂々と駐屯地に火は焚けんけど、ここは何かが無い限り、襲撃を受けるってことはないからな」
「そうだな……」
フェルディナントは座り、或いは立ちながら、話をしている兵たちを見遣った。確かに自分も、ここがいつもの夜襲もあり得る戦場なら、こういうことはしない。だが逆に、今はこうやって集まり、気を紛らわせてやれるようにする場所が必要なのかもしれない。ネーリがやって来て、自然と彼の絵に惹かれるように集まるようになった騎士たちを見て、彼はそう思った。
「みんなあれ紙持ってるけど、なに見てんねや?」
「ああ……ネーリのスケッチだよ」
側の騎士が、例の聖典のスケッチを持って来てくれる。イアンは受け取り、ペラペラと捲ると、すぐに驚いた表情になった。
「これ……。全部あの子が描いたんか?」
「そうだ。ヴェネトの全域を旅して回って、描いたらしい。同じものがあと四冊あるが、びっしり全ページにほぼ挟んである」
「驚いた。てっきり画家見習いの少年が、面白がって竜を見に来てんのかと……」
「そこの聖堂に、昨日ネーリが描いた絵がもう貼ってあるよ」
二人は聖典を騎士たちに預けると、連れだって聖堂に入った。
「また増えてるな」
壁に飾ってあるネーリのスケッチを見て、イアンは目を輝かせた。他の騎士たちと同じだ。ネーリの絵を見た人は、みんなこの顔をする。
「はは……そうか。あの子、ここでこういう絵を描いてんねや」
騎士たちと竜がどんな風に日常を生きているのか、これを見るだけで分かる。
「なんやろな……。物凄い上手な絵なんやけど……、ネーリの絵は見ると何でか知らんけど心が安心もするわ」
フェルディナントは頷く。
「俺もそう思う」
「凄いな、あの子はこんな画家やったんか……」
聖堂と言ってもここはほぼ休憩室だった。信心深い者もいるが、大抵は自分の部屋で、自分自身の為に祈っている。こういう、遠征中の軍というものは――率いる軍団長の性格を色濃く反映させる。フェルディナントの部隊は聖堂で祈らない部隊だった。それは、フェルディナントが祈りを捧げない上官だからなのだ。
そうしろと言ったわけじゃないのに、使われていなかった聖堂の祭壇に、ネーリの聖典が五冊分、綺麗に置ける場所を誰かが作っている。まとめておけばいいスケッチを、壁に貼り出して、誰もが見れるようにしている。
ネーリが駐屯地に来るようになったのはこの数日のことだ。それなのに、すでに朽ちていた聖堂が信仰の源のように息を吹き返している。
フェルディナントは、力のない祈りは嫌いだ。形だけの祈りも。
そんなものが一体命のやり取りをしあう戦場で、何になると思っている。
それでも、【エルスタル】が滅ぼされるまで――フェルディナントは母国の伝統を守り、祈りを毎日捧げていた。単なる習慣で、惰性だ。それでも実践はしていた。しかし、何の前触れもなく故郷が一夜で灰にされたその時から、彼は祈るのをやめた。気付いていなかったが、今気づいた。いつの間にか、祈らなくなっていた。
だが……。
「ここにネーリがいて驚いたわ」
フェルディナントが振り返る。
「街中でお前に親切にしてもらったことがあると言ってた」
「いや……例の三人の警邏隊が、ばーちゃんをいびってたって話したやろ。少年が助けに入ったって。あれネーリやねん」
「そうなのか?」
そうとは聞いていなかったらしく、フェルディナントが驚いた顔をした。
「聞いてへん?」
「いや。西の教区に行くのを、送ってもらったと言っていた」
「そうか。お前は街の守備隊率いとるから、心配させたらあかん思って言わなかったんやろな。ばーちゃんが蹴られてるの見てあの子が助けに入ったんや。そのあと警邏隊があの子に絡んどった。三人がかりでえげつない脅し掛けとったわ。俺も守護職には違いはないけど、生憎ああいう奴らまで守ったらなあかん一人やなんて思えるほど、出来てないねん。
殺されよったことには、悪いけど少しも同情せぇへんわ。あんな奴らがデカいツラして生きてるより、あの時ネーリを助けられて良かった……」
「……。イアン」
「うん?」
「これはあくまでも俺からの提案なんだが」
騎士たちと竜のスケッチを見上げていたイアンがこっちを見る。
「今の俺たちは、違う国に属してる。お互い立場が違うことは俺も承知してる。自国の利益を考えたら、他の国の利益はそれよりは優先出来ないことも。でも、……ここにいる限り、何か協調できることがあるなら、協調するようにしないか。お前が前に言った通り、表面上は距離を置いた方がいいのは分かってる。あの王妃にスペインと神聖ローマ帝国が手を組んで何かを仕掛けられたら脅威だ、なんて警戒されること自体がよくない。だから、表面上はそう見えなくてもいい。
でも何か、もしお互いがこの地にいるために、ヴェネト側から何か悪い情報を掴んだ時は、俺は、お前には話す。その情報に対して、お前がどう対処するかまでは決められないが、騙し合いのような関係にはお前とはなりたくないんだ。スペインにじゃない。イアン・エルスバトには話す」
「同盟っちゅうわけやな」
「そんな大層なものじゃないよ。ただ、【シビュラの塔】も、あの王妃も、ヴェネトは何一つ信用出来ない。そういうことには、慣れてはいるが。ヴェネトという国は特殊だ。国を守るために、スペインの不利益になることも、場合によっては俺はしなくてはならなくなることがあるかもしれない。だが、その時は、隠さずそうする。お前に伝えてからそうするよ。どいつもこいつも自分を騙すかもしれないとずっと考えているのは嫌だ。やれと言われれば出来るけど。――嫌なんだ」
肩を叩かれる。
「ええで。俺はお前をこんな小さい時からよお知ってる。お前が使命感に駆られたって、騙し打ちするようなんが、大っ嫌いな奴やってことも、全部な。お前は誇り高い奴やし、信頼出来る。今回のことかて、ラファエルの奴やったら一つ借りにしといてあとで返せ言うか、これをきっかけに落ちてくなら一人で落ちてけやーってこっちを助けようとも思わなかったはずや。お前だから打ち明けられたし、お前だから俺らの窮地を救ってくれた。
俺は恩には報いる。国の命運がかかってるなら尚更や。ヴェネトにいる限り、騙し合いはやめよ。状況悪い時も、例えお互いを、裏切らないといけない時になっても、俺は事前にこれから裏切るから俺には気を付けろよってお前に報せてそうする。騙し打ちはしない」
フェルディナントは真っ直ぐにイアンを見て、頷いた。
「分かった。俺もそうする。戦うことになる時は、事前にお前にだけはそう伝える。戦うことになる可能性は否定しないが、不意をついて奇襲は、ヴェネトにいる限りはしない」
「よかったわ。それ分かっただけでも夜中に空から竜騎兵が襲撃して来るなんて怯えんで寝なくてええ。窓開けてぐっすり寝れるわ」
友の軽口にフェルディナントが声を出して笑う。
「……相変わらずお前は優しい奴やな、フェルディナント。戦いになれば、容赦のない奴やけど、平時のお前は無駄な戦や争いは出来るだけ回避することを望む。アラゴン家の血かもしれへんけど、俺は争いごとは大歓迎や。強い敵を打ち倒せば打ち倒すほど、勝利の喜びも大きい。けど……【シビュラの塔】の一撃は、俺のそういう、子供みたいな考え方根こそぎ変えたわ。
…………平和が一番いい。
退屈で、どうにもならへんと思っても、二度と無駄な犠牲を求めたりはしたくない。お前は何も悪くないのに、【エルスタル】をぶっ潰された。そういうお前が、騙し打ちはやめよなんて俺に持ち掛けて来るのはな、間違いなく優しさなんや。俺が朝、ぶっ倒れた時に、俺が背負い込んどるもの、感じとったんやろ? そんでせめて、俺とお前の間では、騙したり騙されたり……そういうのがない関係にしてやりたいってお前は思ったんや」
「提案したのは自分の為だ。フランス艦隊は俺たちにとって馴染みの敵だが、奴らを攻撃してる時に背後からスペイン艦隊の攻撃を受けて撃ち落とされたくはないからな。自分の利益がある、単なる打算だよ」
イアンがそんな風に言ったフェルディナントの頭を、無遠慮にわしわしと掻き混ぜた。笑っている。
「お前はあとは、もうちょい素直になればええねんけどな。謙遜も度が過ぎれば、厭味になんで」
「覚えとく」
フェルディナントは笑みを見せてから、祭壇の方にイアンを誘った。
「早速だけど、お前には話しておく。だがこれはくれぐれも内密にしてお前だけの胸に留めてくれ。竜騎兵団の演習飛行の理由を、スペイン艦隊に穿った見方はされたくないから、お前には話す」
イアンは祭壇の段差に腰掛けた。
「王妃が突然飛行演習の許可出したやつか?」
フェルディナントは頷いた。
「そうか……おかしいと思ったんや。あの女がもともと飛行禁止を言ったんやろ。あいつは余程の理由がないと自分の言ったことを覆したりせぇへんタイプや。しかも相当な利益が自分に無いとな。強欲なんや」
「【有翼旅団】という、ヴェネトの貿易船を狙う賊が、周辺海域に潜んでいるらしいんだ。
俺たちはその捜索を任された」
「【有翼旅団】? なんやそれ……反乱分子なんか?」
「詳しいことは俺もまだ分からないんだが、ヴェネトに古くから伝わる、有翼の獅子の紋章を掲げる一団らしい。軍艦のような大型船で商船を襲い、荷を奪った後船も沈めるため、目撃情報が少ないんだと。ヴェネトは海軍を持たないから、この地の大貴族が私兵団のような警備船は持ってるらしく、そういう連中が行方を探しては来たらしいが、未だに本拠地も、どこから来るかも、何者かも分かってないらしい。ヴェネトは島国だから、貿易船襲撃は命に関わる。だからその捜索を条件に飛行演習を許可したんだ」
イアンは腕を組む。
「なるほど……そういうことやったんか。よぉ分かったわ。さっき言ったことってあれやろ? これで俺が【有翼旅団】のこと聞き回ると、要するに王妃が警戒すんねんな。俺たちが協力してる言うて。けど、何にもせぇへん偶然で、もし【有翼旅団】の話を耳に入れることがあったら、神聖ローマ帝国にじゃなく、お前には教えたったらええねんな」
「お前がそれでいいと思うならな」
「ええよ。確かに三国いて、一つは何でもかんでも疑わなくてええっちゅうのは気分がいいわ。それだけでもなんぞ、頭がすっきりする言うか……。フランスだけ睨んどったらええのは気分が楽やな」
「俺もだよ。フランス、スペイン、ヴェネト。三国を常に疑ってなくてはならないのは、やれと言われればやるけどさすがに疲れるからな」
「フランスにはこの秘密同盟のこと、気付かれたらあかんでフェルディナント。ラファエルはアホやけど、アホやからあいつ無茶苦茶しよる時ある。最悪なことに王妃セルピナ・ビューレイがあいつを気に入っとるから有頂天や。アホが有頂天になっとる時はな、邪魔したらアカン。有頂天にならせときゃ、あいつは大きい器の気になって、慈悲だの、情けだの、こっちに勝手にばらまきよる。あいつが勝手に足滑らせて落ちて来るのを待つんや。
ええか。お前は確かに品行方正で誠実なヤツやけど、何でもかんでもクソ真面目に相手しとったら損するんやからな。まずはフランスが俺たちと同じくらい落ちて来るまでは待たなあかん。長期戦やで」
フェルディナントは笑った。
「望む所だ」
「ははっ。今頃あいつ無茶苦茶くしゃみしとるやろな!」
イアンは立ち上がる。
「【有翼旅団】のことは、よお教えてくれた。これで俺もお前らが上空飛び回っても一体何しとんのやろっていちいち疑わんで済むわ。……代わりにっちゅうほどのことやないけど。お前に話しとく。この前は……何となく、お前の気持ち考えると話せんかった。けど、お前はそない弱い奴ちゃうから、指揮官として真実の方が知りたいやろ。ネーリは【シビュラの塔】の発動を自分の目で見たそうや」
フェルディナントの顔に驚きが現われる。
「……そうか……やっぱり……親しそうやったから話してんのかと思ったけど……お前が悲しむ思て話さなかったんやろな、あの子のことやから」
「起動する所をか?」
「そや。なんでも、【シビュラの塔】がある日、霧が全部晴れて、輝いてた夜があったそうや。発動前の兆候かもしれん。そのあと光を放ったらしいが、地平線に向けてやなく、真上に砲撃しよったらしい。真上に撃ったもんが、なんで遠くの【エルスタル】に落ちたんかは全く分からんが、シビュラの塔の起動はその一回だけらしい。アルメリアとファレーズ公国もやられたが、つまり、一発で全く違う場所にある三つの国が、消滅させられたってことや。
俺もなんであんな所から撃って、その途上にある国や街が無事で、そこだけが攻撃出来んねんとずっと思ってたけど……。
あれはホンマに、人知を超えた兵器やぞ。絶対に二度とあんなもんを撃たせたらあかん」
フェルディナントは拳を握り締める。
「……分かってる。」
「いつか【シビュラの塔】の全容も、少しずつ分かって来るはずや。こっちも長期戦になるやろうけど、頑張れよ。フェルディナント。
お前は【エルスタル】の最後の希望や。
必ず生きて、いつかここを出て行け。国に戻って、生きていく。
お前の使命はそこまで繋がってるんやからな。
俺も出来る限りの協力はするよって」
友の労いを受けて、一瞬憂うような表情を見せていたフェルディナントは顔を上げた。
「ありがとう」
イアンはもう一度、騎士と竜の絵を見上げた。
「……ほんまにええ絵やな。あの子がええなあって思った世界がほんま生き生き描かれとる」
フェルディナントもやって来て、側で見上げる。
「そうだな……」
確かに、自分が描きたいものしか描かない、とネーリは言っていた。
「ここにはスケッチばかりだけど、ヴェネトの街のアトリエには彩色された絵もある。素晴らしかったよ。俺は芸術を見る目がないやつだけど、初めて見た時、驚いた。初めて絵というものを、見た気がしたくらい。王宮でも、屋敷でも、たくさん色んな画家の絵が飾られてるはずなのに。俺の屋敷にだって、あるはずなんだぞ。そんなに帰ってはなかったけど、居間にも寝室にも入り口にも、何かの絵が描いてあったはずなんだ。
……【エルスタル】の王宮にもな。
不思議なくらい、俺はどんな絵だったか、覚えてない。
多分、この世には、ちゃんと見ようと思って見ないと、見えてこないものがあるんだと、
ネーリの絵を見て初めて、気付いた。こんな俺が、絵なんか自分には関係ないと思ってた俺が偶然あいつの絵を見た時に、特別な絵だと、思った。見ようと思っても無かった俺の視界にちゃんと入って来て、素晴らしい景色があることを、教えてくれた。だから俺にとってあいつは特別な画家なんだ」
「……。何となく分かるわ。お前の言葉を、敢えて借りるんならな、軍人っちゅうのは、ある意味で、『見て見ぬふり』をするのが正しいと思ってやらなあかんものやねん。そやろ? だって今自分が殺そうとしてる相手に、帰り待っとる家族がいる、結婚を約束した相手がおる、たった一人の老いた母親が待っとる、そんなこといちいち考えとったら、相手を殺せへん。けど、戦は、やらなあかん状況に追い込まれた時に、最低限の必要な、見るべきものを選び出す。
それだけ見て、
……それだけを頼りに、俺たちは戦うんや。
あえて見て見ぬふりをしながら、自分たちの国だけの利害を考えて、動く。
わざと視野を狭くして、軍人は自由になる。
俺もお前も、軍に仕官して戦功を立てることが目的やったやろ。軍人になれただけじゃ、俺たちは不満足や。王に認められなあかん。せやから、俺も今まで、多くのことを見ないフリして、戦斧振り回して敵殺して来たわ。いつの間にかそういうんも、正しいことなんやって思い込んどった」
イアンはフェルディナントを見た。
天青石の瞳が、こっちを見ている。彼は、フェルディナントと士官学校で出会った時から、この彼の非凡さを物語る眼差しが好きだった。
「けどお前は、騙し合いは嫌や言うた。幾ら戦争でも可能なら避けたいって。将軍職にあって、見て見ぬふりはアカンって気付いたお前は、俺は偉いと思うで。まぁ……辛くなったり、苦しんだりは多くなるやろけどな……。見て見ぬふりが出来た方がずっと楽や。そんでもお前は――見たいんやろ」
そして回避する。回避出来る犠牲は、敵も味方も。
確かにイアンの言う通りだ。軍人が、敵にも家族や大切な人がいるなんて、相手の気持ちを分かったって、辛いだけである。戦わなければならないのなら、尚更。それでも、その想いが回避出来る争いは回避したいと思うことに使えるのなら、きっと無駄じゃない。
フェルディナントはそうありたいのだ。
――突然全てを奪われる苦しみを、知っているから。
「お前とは士官学校時代、早くたくさんの戦功上げて、オヤジに認めてもらおな、って話しとったよな。それでも、お前は今は、俺とは違うものの見方をするようになった。教えてくれたのがネーリの絵なら……芸術の女神に感謝せな」
イアンらしい言い方に、フェルディナントは小さく頷いて、笑んだ。
「ただいまー」
丁度、明るい声が響いた。
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