遊び人


学校から帰宅途中に三上を見つけた。



噂の新しい彼女と一緒にいる。

奈々とは、正反対の女性だ。



なんで、三上は、奈々が好きなのに彼女を作るんだろう?そんな事を思いながら、三上と彼女から目線をずらし、帰路を急いだ。



そんなこんなで、月日は経ち。



「私さぁ…」



「うん。」



「健二郎を好きでいるのやめようと思う。」



「それは…理由聞いてもいい?」



「このままじゃ、私の青春が片想いで終わっちゃうかなと思って。」



何年片想いしてると思う?とクスクス笑う奈々は、凛としていて、とても眩しく感じる。



「そっか。奈々が決めたのなら、応援する。」



「ありがとう。」



そう笑顔を作った奈々の目にはうっすらと涙が浮かんでいる気がした。小さい頃からずっと一緒でずっと好きだった相手を諦める。相当な覚悟だと思う。



本当、三上はなにしてるんだろう。

君が好きな子は、あんたを諦めようとしているよと心の中で呟いた。

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