第7話 母と息子の最強初依頼!

「さて、次は依頼じゃな。」


 冒険者ギルドの依頼掲示板をじっくりと見つめる私。リオのレベル上げと食料調達――この二つの目的を果たすため、適した依頼を選ばねばならん。


「ママー!これどうかな?」


 リオが小さな指で指さしたのは、「ゴブリンの巣討伐」の依頼。報酬は銀貨5枚と控えめではあるが、リオの初陣としては悪くない。


「ふむ、ゴブリンだけでは物足りんのう。巣の周辺に潜む魔物も一掃するか。」


「えっ?いいの?」


「もちろんじゃ。どうせならリオをもっと鍛えてやる。」


 リオの瞳が輝き、拳を握りしめる。その無邪気さに微笑みつつ、私たちは王国西部の森へ向かった。


 森に足を踏み入れると、冷たい風が肌を撫で、木々のざわめきが耳を包む。ゴブリンの巣があるとされる場所は、魔物の気配が濃厚で、霧が薄く立ち込めていた。


「ここがゴブリンの巣か……。」


 目の前には洞穴があり、入口には粗末な木の柵が設置されている。その奥からは、かすかな低い笑い声が聞こえてきた。


「ママー、僕、頑張る!」


 リオの意気込みに頷きながらも、後ろでフェンとリディアがひそひそと話し始めるのが耳に入る。


「リオ様はまだ未熟にゃ。最初からゴブリンリーダーまで相手をさせるのは、ちょっと無理があるにゃ。」


 フェンがしっぽを揺らしながら、低い声でリディアに話しかける。その耳は警戒心を表すかのようにピンと立っている。


「フェン、それでも彼は成長しなければならないの。私たちが甘やかしていては、いずれ大きな壁にぶつかるだけよ。」


 リディアは冷静に反論し、フェンを見据える。彼女の目はリオを見守る優しさと厳しさを兼ね備えていた。


「でも、リオ様が傷ついたらどうするにゃ?」


「その時は私たちが助ければいいだけよ。セリーヌ様もいるし、リオ様は決して一人ではないわ。」


 フェンは少し不満そうにしながらも、リディアの言葉を飲み込んだようだった。だが、その顔にはまだ不安が浮かんでいる。



 洞窟の中に進むと、早速ゴブリンたちが現れた。


【敵情報】

名前: ゴブリン

種族: 魔物

レベル: 10

HP: 80

MP: 5

攻撃力: 50

防御力: 40


「リオ、行け!」


 私の声に応じて、リオが前へと飛び出す。[ママ大好き]のスキル効果が発動し、彼の身体能力が劇的に向上した。


「はあああっ!」


 リオの拳がゴブリンに炸裂し、その小さな体が宙を舞って壁に叩きつけられる。一体目を倒したリオは素早く振り返り、次のゴブリンに向かって渾身の蹴りを放つ。


 ズゴンッ!


 ゴブリンの体が無様に崩れ落ちる。後ろでフェンが驚きの声を漏らした。


「にゃ……ゴブリンとはいえ、こんな短時間で二体も……?」


「彼にはまだ未知の可能性があるのよ。」リディアが冷静に応じる。


 奥へ進むにつれ、魔物の気配が一層濃厚になる。そして、洞窟の最深部で、巨体を持つゴブリンリーダーが現れた。


【敵情報】

名前: ゴブリンリーダー

種族: ゴブリン

レベル: 55

HP: 2,100

MP: 180

攻撃力: 450

防御力: 280


「グギャァァァ!」


 筋骨隆々のゴブリンリーダーが咆哮を上げ、棍棒を構えて突進してくる。


「リオ、お主の力を見せる場じゃ。行け!」


「うん!僕、やる!」


 リオは棍棒の一撃を紙一重でかわし、その横腹に拳を叩き込む。だが、相手も耐久力がある。ゴブリンリーダーは素早く反撃に転じ、リオに向かって強烈な振り下ろしを繰り出してきた。


「危ない……!」


 フェンが息を飲む中、リオはその攻撃をギリギリで避け、カウンターの一撃を見舞った。


「これで終わりだっ!」


 リオの拳がゴブリンリーダーの頭部に炸裂し、その巨体が地面に崩れ落ちた。


 戦いを終えたリオが息を切らしながら戻ってくると、フェンが彼を見て小さくため息をついた。


「……私が間違ってたにゃ。」


「フェン?」リオが不思議そうに首を傾げる。


「リオ様、あんたは思った以上に強いにゃ。私、未熟だなんて言ってごめんにゃ。」


 フェンがリオの頭を軽く撫で、優しく微笑む。その仕草にリオが少し照れくさそうに笑った。


「僕、もっと強くなるよ!だからフェンも見てて!」


「にゃ、当然にゃ!期待してるにゃ!」


 リディアがその様子を見て小さく笑い、セバスが静かに頷いて言った。


「奥様、これでリオ様の成長が皆に認められたのではないでしょうか。」


「うむ、皆がこうして支え合えば、どんな未来も切り開けるじゃろう。」


 リオの新しいステータスを確認する。


【リオの新ステータス】

名前: リオ

種族: 魔族(魔王)

レベル: 10

HP: 30,000

MP: 150,000

攻撃力: 4,000

防御力: 3,000

スキル: [ママ大好き], [無限のポテンシャル]


「リオ、よくやったのう。この調子でどんどん強くなっていくぞ!」


「うん!ママー、もっと強くなる!」


 その無邪気な笑顔に胸が温かくなる。次の冒険がどのような試練をもたらすかは分からないが、妾たちはこれからも共に進んでいく。


▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 「リオの魔王修行、まさかの展開に!? セリーヌの母としての奮闘ぶりにも注目!次回、親子の絆と波乱の冒険がさらに深まる予感!」

 魔王軍を盛り上げるために、ぜひお気に入り登録やフォローをお願いします!魔王軍の応援よろしくお願いします!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る