僕よ、詩に晒せ。
青山喜太
化け物
なぜなのだ。
俺には二本の足がある。
誰よりも、速く走ることができぬのに。
なぜなのだ。
俺には二本の腕がある。
誰よりも、器用なことができぬのに。
なぜなのだ。
俺には二個の瞳がある。
己がため、涙を流すことしかできぬのに。
なぜなのだ。
なぜなのだ。
俺には二本があって、二本があり、二個がある。
なのに。
なのに。
どうして俺は人未満。
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