告白したら違う子でした。いまさら憧れ女子が絡んでくるんですが。

おもち

第1話 さらば憧れのヒロイン。


 俺は、山西 颯太。

 都内の大学の経済学部に通う平凡な男子だ。


 だが、そんな俺にも好きな子がいる。


 黒髪、色白に真っ黒の瞳。まつ毛長めの二重、身長は155くらいで、ウエストはキュッと細いのに形のいいバストとヒップはボリュームがある。バストはEカップくらいあるのではないか。


 妖艶なのに礼儀正しい言葉遣い。

 さらには、お嬢様然とした古風な名前。


 俺は妹がいるから、年下は無理かな。

 だから、彼女が同じ学年で嬉しい。


 彼女は、神楽坂 櫻子。

 同じ大学の文学部に通う、俺の理想をそのまま形にしたような女性だ。


 そんな彼女に憧れまくって、俺は何度も妄想の中でデートとプロポーズをして、大学2年間を過ごした。だが、そんな大学も既に後半戦。


 おれはいまだ、彼女とまともに話したことすらない。だから、俺は、ワンチャンに賭けることにした。


 それは、いつも女子に囲まれている彼女がフリーになる通学の電車。その貴重なタイミングで、告白することだ。


 とはいえ、彼女は普段は車で送迎されている。だが、週に一回だけ、電車通学をする日があるのだ。


 ほとんど話したことがない俺が告白しても難しいのは分かってる。でも、何もチャレンジしないまま卒業するよりはマシだ。


 そして、今日は木曜日。

 彼女が電車で登校する日だ。


 俺がいつもの通路側にいると、彼女が乗ってきた。大学までは5駅ほど。時間にして15分弱。その間に勝負を決めなければならない。


 今朝の占いで、ラッキーカラーは黄色と言っていた。即ち、俺のシャツもズボンも、ジャケットも黄色だ。


 ふふっ。ぬかりはないぜ。


 おそらく、一度しかチャンスはない。

 だから、「お友達から」なんて生ぬるいステップを踏んでいる余裕はない。


 どうせダメなら、ハイリスクハイリターンでぶっこむべきだ。うまくいけばゴールイン。失敗すれば、それで終わり。


 なにかサムライみたいでくるものがある。


 さて、俺の大学は郊外にあるために、通学の電車は比較的に空いている。次の駅に着くと、数人が降りて、車内には俺と彼女と、あと知らない女の子1人になった。


 無人とまではいかなかったが、かなり理想に近いシチュエーションだ。こっちは一生に一度の大勝負なんだ。知らない女の子の1人や2人、居てもどうってことない。


 俺は彼女から数メートルの手すりに寄りかかっていた。


 ガタンゴトンという音がして、電車は刻一刻と下車駅に近づいていく。下車までの時間と反比例きて、俺の心拍数は上がっていった。


 やばい。

 手汗が半端ない。


 下車駅まで残り2駅となった時、俺は覚悟を決めて、彼女の目の前に立った。


 恥ずかしくて目を開けていられない。

 彼女の透き通った瞳に見つめられたら、尻込みしてしまいそうだ。


 プシューという音がして、扉が開いた。

 まだ大丈夫。大学は次の駅だ。


 俺は目をギュッと閉じて、思い切って告白した。



 「好きです。ずっと好きでした。結婚を前提に付き合ってください!!」


 「……」


 ん?


 反応がない。

 ドン引きされて、返す言葉もないのだろうか。



 俺は目を開けた。


 すると、神楽坂さんはいなくなっていて、知らない女の子が目の前にいた。


 その子は近隣の高校の制服を着ている。

 白いセーラー服。


 身長は150くらいで、華奢だ。バストはコンパクトでBカップくらい? 小麦色の肌にショートカット。前髪は少し長めでサラサラな髪質。目は丸くパッチリ二重で幼い。妖艶とは無縁で、いかにも爽やかスポーツ少女といった感じだ。


 可愛い部類には入るのだろうが……。

 ハッキリ言って好みじゃない。俺のタイプとは真逆のタイプだ。


 女の子は、俺の目を合わせてはいるが、視線は泳ぎ、明らかに挙動不審だ。


 そりゃあそうだよな。

 顔も名前も知らない男に、いきなり告白されたのだ。ドン引きらしいし、嬉しい訳がない。


 あんな威勢よく告白したんだ。

 俺も後には引けない。


 固唾を飲んで、相手の出方を待つ。


 頼む、頼む、断ってくれ。

 ってか、頼まなくても普通に断られるか。


 すると、少女は口をパクパクさせて、腹話術のように、ワンテンポおくれて言葉を発した。


 目を俺から逸らして、トマトのように耳裏まで真っ赤にしている。


 「あの……。ウチ。ウチでよければ、お嫁さん前提のお付き合い。こちら……、こちらこそよろしくです」


 「……えっ?」


 おれの頭の中では、「?」の嵐が起きていた。




 

(ご挨拶)

 下書きのつもりが、間違えて、いつの間にか投稿してました・:*+.\(( °ω° ))/.:+


 もう一つの連載があるので、こっちはある程度、書きためてから投稿するつもりだったのです。でも、ビューもいただいたので、このまま続けます。


 頑張って更新しますので、よければ、フォローお願いします!!


 

 





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る