第10話

………………。


「次っ!高宮さんっ!」


「はいっ!」


よ、よーし、頑張るぞ!

私はスタートラインに立つ。


「あれー?高宮さーん?」


「はーいっ!!」


私はさっきより大きな声で返事をした。


「あれ?何処に居たの?」


「ずっと居ました…」


「あれれ?座ってないで立って!」


「た、立ってますっ!!」


ひ、ひどい、先生……なっ、なんで?

私がそう疑問に思っていたら、後ろからまさちゃんが


「せんせーい!この間の件の仕返し、全開ですね?」


「違うわっ!……」


へ?

この間の件?


「………あっ!あの鼻血の件ですか?しかも両方からの!」


「………………」


そ、そうなんだ!

私が受け取り損なったバスケットボールが見事に先生の顔面にクリーンヒットしてしまったあの件………

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