紋章のエヴォルピア
こいえす
第1話 剣と魔法のエヴォルピア
今から約1700年前、王国歴300年のことである。
人類は地球を侵攻した魔族との戦争が終結した。
人類側は魔族の力を解析し、『紋章』として自身の身体に宿すことができるようになった。
人類は『紋章』を日常的に活用し、文明をどんどん発展させていった。
しかし、文明の発展はさらなる戦争を生む。
人類は『紋章』の力を戦争に利用した。
大いなる力には犠牲が伴う。
多くの人が死に、多くの国が奪われた。
度重なる戦争によって民は苦しみ、『紋章』は奪われるか、失われた。
王国歴1500年。
突如として現れた魔物の脅威が、終わりなき戦争に終止符を打った。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
エヴォルピアの大地は穢れ、広大な領土は荒廃し、全人口の8割が消滅した。
人々が絶望する中、勇者と呼ばれる存在が魔物の王を討ち倒し、ようやく平和が訪れた。
だが、魔物は完全に根絶されることはなく、今もなお人々を襲い続けている。
各国はギルドを創設し、街の治安維持をその手に委ねることを決定した。
さらに、過去の過ちを繰り返さぬため、『紋章』を一つの国に集約し、永世中立国とした。
王国歴1800年。
この年を境に、人類の中から自然発生的に『紋章』が発現し始めた。
種族や年齢、性別に関係なく発現する『紋章』は、社会に再び混乱をもたらした。
だが、ギルドの介入によって事態は収拾された。
各国は世界のパワーバランスが崩れ、再び戦争が起きることを恐れていた。
そこで、永世中立国に魔法学園を建立し、優秀な魔法使いを育成することにした。
魔法使いは各国のギルドへと派遣され、世界の治安維持に貢献している。
そして現在、王国歴2000年。
『紋章』の発現によって豊かになった人類社会は、再び繁栄と破滅の道を歩み出していた。
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