お弁当

大庭 馨

第1話

お弁当と言っても、作る側と食べる側、既製品と手作り、キャラ弁、冷凍食品、思い浮かぶワードは様々だ。

単純に好きとか嫌いとか言えない。


料理は好きなのにお弁当作りは好きではなかった。朝起きて、不規則な形のおかずを箱に詰めるのが何だかストレスで、冷ます、水気を切る、保冷剤とお箸を入れて…暑い時期に持たせるお弁当は傷まないか特に心配した。

こんなに気を遣って作っても食べるのは数分だろうし、そもそも自分が食べる事はない。上の子の幼稚園のお弁当から始まって途中、塾弁なる夕方作って持たせるお弁当を作ってた時期もあっての二十数年のお弁当作りがようやく終わった。万歳!

そもそも末っ子を授かった時、咄嗟に計算して私は◯◯歳までお弁当作らなきゃいけないのか…と少し気が遠くなり、またその妊娠中に病気を患った時、この子がお弁当が必要な高校卒業まで私は元気でいられるのだろうか?と不安になった。毎日の何気ない一つの家事に過ぎないけど、お弁当作りが終わったのは持久走を走り切った気分で清々しい。


来春から大学に通うとなるとまたお弁当が必要かな?物価上昇で外で毎日学食や外食も負担かしら?横浜の有名なお弁当も値上げで1000円超えるニュースもやってたし。

まさかの持久走、おまけでグランドもう一周とかご勘弁ください。

こどもに自分で作って持っていけるように今から教えるしかないな、これは。

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お弁当 大庭 馨 @sthrn

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