隣のサイコさん

こた神さま

〜プロローグ〜




ーいいかい、秋人。世の中には、必要な人間と必要でない人間がいるんだよ。必要でない人間は、生きてる価値がないんだ。生きてる価値がないという事は、生きてる意味がないんだ。生きてる意味のない人間は、どうすればいいと思う?ー


首を傾げ、見つめる僕に、父は、にっこりと笑って、こう言った。


ーそういう人間は、死ぬしかないんだ。だけど、人間って弱い生き物だから、自分で死ぬなんて、なかなか出来ないんだよ。だからね、そういう人間は……殺せばいいんだ。ー


ー殺すの?ー


ーそうだよ。殺すんだ。だけどね、そういう奴は、殺しても罪にならないんだよ。だって、要らない人間なんだもの、誰からも必要とされない誰からも嫌われてる、そんな人間は、駆除しなくてはいけないんだ。例え、法が裁けなくても、殺せば、きっと世の中の為になる。みんなが幸せになる。ー


ーそうなんだ。ー


ー秋人は、困ってる人がいたら助けてあげるんだよ。みんなを幸せにしてあげなさい。ー


ー何だか、ヒーローみたいだね。ー


ーそうだね。秋人は、ヒーローだね。ー




幼い僕に、父は、そう教えてくれた。

にっこりと、優しく微笑む父を見ていると、何だか、本当にヒーローになれた気分だった。


「分かったよ、父さん。僕は、ヒーローになって、みんなを幸せにするよ。だって、それが僕の使命だもの。」


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