先輩の秘密、少しだけ

学校が終わり、俺は文芸部に向かう。

ラノベや小説、漫画が好きだから、自然と文芸部に入った。でも、運動が苦手だから、部活で体を動かすことがないのも理由の一つだ。


でも、そんな部活にも「めんどくさい先輩」がいる。

彼女が部室にいると、だいたい静かに本を読んでいる俺が邪魔される。読書に集中している時に、誰かに話しかけられるのが一番嫌いなんだ。


「やっほー!」

またか、と心の中でため息をつく。

「そういえば、あの眼帯はどうしたんだ?怪我でもしたのか?」

俺が聞くと、彼女は少し照れたように、眼帯を外した。


その瞬間、彼女の左目が見えた。

赤く、でも少しピンクがかった色。まるでルビーのようだ。

「左右で色が違うな」

俺は漫画やラノベをよく読むから、すぐに気づいた。オッドアイだ。



「カラコン?」

俺が聞くと、彼女は真顔で答えた。

「ドラゴンを封じたから、色が変わってしまったんだ!」


「……は?」

俺が目を丸くしていると、彼女はそのまま真剣な顔をして続ける。

「私の左目、ドラゴンを封じ込めてるんだ。だから、色が違うんだよ!」


それを聞いた瞬間、俺は思わず心の中で叫んだ。


「これ、完全に厨二病だ!」


その瞬間、彼女が少し照れくさそうに目を逸らした。

「ちょ、ちょっと黙って…!本気なんだから!」

でも、目はどこか誇らしげで、完全に「厨二病」の匂いがプンプンする。


「いや、でもドラゴンって…本気で言ってるの?」

俺が冷静に聞くと、彼女はうつむきながらも、ちょっとだけ頷いた。

「うん…本気…」


その顔がどこかかわいくて、俺はつい笑ってしまった。

めんどくさい先輩になんで俺はそんなことを思うんだろう

「そんなこと言われたら、どう反応すればいいかわからないよ…」

俺がそう言うと、彼女はムスっとした顔で言った。

「ふん、冷めた反応しないでよね!本当に封印してるんだから!」


俺は心の中で、ちょっとした笑いをこらえながらも、彼女の目をじっと見つめた。

「それなら、ドラゴンが目覚めないようにしっかり封印しておけよ」


彼女は少しだけ得意げに、でも照れ隠しで、少し肩をすくめる。

「もちろん!誰にも見せないようにしてるんだから、心配しなくてもいいよ!」


その言葉を聞いて、俺はまた思った。



彼女は重度の厨二病だ!

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