「「ええぇえええ〜〜!?!?!?」」



そして学校。


私は梨花と大樹に蓮兄の家に居候する事になったと話すと想像を超えた声で驚いてた。



「っし〜〜…!声大きい2人とも!」


「だっっって!え!まじ!?超ラッキーじゃん郁!」


「一緒に住めばもうこっちのもんじゃね!?」



2人は予想以上に大興奮していて、なんだか作戦会議していた。



……な、なんなんだい…



「でも、蓮さんってほんっっっとにモテるよねえ…」



梨花はそう言いながら窓から外を覗いて下を指さした。


私と大樹はその指の先を見ると、蓮兄がいて、女の子に囲まれていたんだ。



「そりゃあ、かっこいいもん、蓮さん…。男の俺から見ても…」


「どうやったら女として意識してもらえるのかなああぁ…。蓮兄にとったら完っ全妹だもん私…」


「でもさっ郁!ちゃんと考えてみ?あの子たちは学校でしか蓮さんに会えない!」


「ところがお前は家でも会える!蓮さんにやりたい放題し放題!!」


「やりたい放題ってあんた……」



そんな出来たら苦労しないんだよ〜〜…。


昨日裸見られてもドキドキもなにもされなかったし…



またちらっと蓮兄に視線を送る。



幼なじみ、というポジションは誰よりも近い存在で…


でもそのかわり、そういう対象で見られなくなるデメリットもある。


ほかの女の子たちなんかより、遠い存在なんだろうなあ、って思える時がある。



「幼なじみって…たまにやになるよ…」



しゅん、となる私を見て2人はあわあわとした。



「大丈夫だよ、郁。郁は郁なりに頑張ればいいんだから。なんたって郁はどの女たちよりも蓮さんに近い存在なんだから!」


「そうだぞ郁!おじちゃんが飴あげようか!?」


「うう〜…」



よしよし、と私の頭を撫でる梨花。



「でも私ひとつ心配な事あってさ、まあ蓮さんってあの通り超〜〜モテるじゃん?蓮さんファンが黙ってないかね?」


「あ、俺もちょっと思ったかも。」


「最近登下校蓮兄と一緒なんだけど、もう視線が痛いのなんの…でもすんっっごい優越感…!」



なんて言う私に「あははっ」と笑う2人。



「漫画であるみたいに来たりして?成川 郁いる!?ちょっとツラ貸せよ!みたいなっ」


「いやそんなベタな展開あるわけないじゃん!?」


「まあさすがにそんな事あるわけねえか!」



なんて冗談を言い合いながら3人で話していると…



ガラッ!



「成川 郁ってこのクラス!?ちょっと話あんだけど!!」



なんとなんと……



「「「………いたよ…」」」



その漫画であるような展開が、まさか現実であるとは…。




そしてイヤイヤながらも先輩たちのあとをついてたどり着いたのは体育館裏だった。



うわあ……場所までもベタ……!



「あの〜…なんですか?早くしないと次の授業始まっちゃうんですけど…」


「あんたさあ!蓮のなんなの!?」


「そもそも幼なじみだからって蓮の周りちょこまかうろつかれても困るんだけど!」


「ええ〜…そんな事言われても…」



そしてら3人いる中のボスらしい人ががっと私の肩を掴んで壁に押し付けた。



「いっ…!」


「蓮からさっさと離れなさいよ!さもないと…」



離れる…?


10年も蓮兄を想い続けてるんだ!


なめてもらっちゃ困るんだよ!



「やだよーだっ!なんでそんな事言われないとだめなんだ!こんな性格悪い事やってるからどうせ蓮兄に好かれないんだよ!」



なんて…気が付けば口が動いていた。



嘘つけない私のばか…!



すると先輩たちは顔色を真っ赤に変えていて…



「あんためっちゃむかつくんだけど!?」


「何様のつもり!?ねえもうやっちゃいなよ!」


「調子乗るのは結構だけど…二度と蓮の隣歩けなくしてやるよ…!」



そしてボスは私の肩を掴む手に力を入れながら、もう片方の手を大きく振り上げた。



…わっ、これ絶対まずいやつ…!


殴られる……!



私はもう駄目だと覚悟を決めて歯を食いしばってぎゅっと目を瞑った。


だけど待ってもどこも痛くならなくて、なんなら肩を掴まれていた感覚もなくなっていた。



へ…?



私はそろっと目を開ける。



えっ……なんで…!?



「何してんの?お前ら」



何で蓮兄がここに…!?



なぜか蓮兄が目の前にいた、私を庇うように。



「えっ…蓮く…っこれはちがくて…!」


「そっそう…!たまたま居合わせたっていうか…!」



先輩たちは青を真っ青にしながら慌てて言った。



「今度郁に近付いてみろ、許さないからな」



れれれ、蓮兄…!


顔がっ、めっっちゃ怖くなってる……っ!!



「「……っっ!」」


「お前ら、いらない」


「「っっっ…!!」」



そして3人は、走ってこの場を去っていった。



「れ…蓮兄…?」



私は恐る恐る蓮兄に声をかけると、いつもみたいに優しく微笑んで私を見た。



「大丈夫だったか?怪我してないか?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る