第4話 たぬきとして

俺は今部屋にいる。

窓を見るとすっかり真っ暗になっていて星がよく見える。

振り返るとすやすやと眠っている二人の少女…白髪の少女がアベリア•ジョイディス、もう一人の赤と茶色が混ざったような髪の少女がメポ•ジョイディス

ベットは二人が寝る大きいベット、俺の為にやってくれた小さいベットがあるが…どうにもこうにも眠れない。

未だ現実と思えていない転生した事とかその他もろもろが…

疲れで吐いたため息は風に吹かれて中を舞っていた。

外に出て空気を吸おうと下へ行くとテーブルにはグリロが座っていたなにやらため息をしていた。

「グリロさん」と話しかけた「おう、たお前さんか、眠れないのか?」とグリロは元気がなさそうだった。

俺もグリロの隣に座ってしばらくの間沈黙が続いた「ありがとうな…」とグリロは沈黙を破り、感謝をしていた。

「え?」と俺は疑問をするとグリロは「アベリア嬢の事だ…あいつが…困った人を助けるようになったのは…俺が原因なんだ」と言うと一回酒を飲んで話を続けた。

「俺は…昔、仲間と一緒に冒険者をしててな…それから依頼を受けてたまに人助けをしてたんだ…ある日強力な魔物を倒したあと俺達は英雄扱いされた…それからいろいろあってやめちまってよ結婚して幸せな生活をして子供ができたそれがアベリアなんだ、でも俺の血でも受け継いでんのかな…あいつは困ってる動物とか村の人とか見るとすぐ助けたくなるんだ…危ない目にあいかけたこともあるその時は俺がいつもいるから大丈夫だったんだが今回は一人で行かせちまった、だからあの時お前さんが助けてくれて良かったよ」

一息ついてどこか優しいような顔をして感謝をした。

「いや、人t」と俺は話していた口をふさいで

コホンコホンと咳をし、「たぬきとして当然のことをしたまでです」と言い直した。

するとグリロはきょとんとした顔を変え「ハハハ!そうだな、たぬきとして当然だな!」とガハハのような顔に戻り笑いながら言った。

「そろそろ寝ないとなお前も早く寝ろよ、あと俺の話を聞いてくれてありがとうな」グリロは話を聞いてくれたことに感謝し2階に行った。

そういえば…誰かから感謝してもらったのって久しぶりだな。

でも友達の拓也からは忘れた教科書を貸して感謝されることはあったけど、なんていうか…家族のようにやってくれて感謝してくれてるのはなんか嬉しいな。

「ふ、ふぅぁ…そろそろ寝るか」眠気を感じて俺も2階へ行き、部屋に戻り用意してくれたベッドで横たわった。

なんかやっと現実と思えたような気がする俺はこの世界に転生したということ。

こんなに至れり尽くせりやってくれたグリロやアベリア達には感謝しないとな。

そう思ってる間にすっかり寝ていた。

翌朝になり朝日が昇った。

光が眩しい…ペット用だがベットで寝るというのが久しぶりすぎてなんというか…気持ちいいというか、一生出たくないそんな温もりに…

「おーい!ぽんすけーー!」

その瞬間俺の腹に30トンの重りが来たかのような衝撃が走った

「おぶぇばぁぁあ!」

食らった反動で叫び声を上げる俺、痛みながら目を開けるとそこには

「あっ!おはよー!!ぽんすけ!」

とメポが馬乗りで笑顔に挨拶をした

「おはよー…あのね…メポさん、たぬき…というか人でもそうだけど寝ている時に腹に重りみたいにジャンプをするのはどうかと…」とメポに言うと「えぇ!?だめだったの!?」と驚いた顔をした。

「でも、お父はこれしてもぴんぴんしてたよ?」と不思議そうに答えた、が多分それはグリロが痩せ我慢しているのか強いのかなんだが…

「あっおはよう…起きてたんだね…」

とよこからひょっこりとアベリアが見に来た。

「おはよー」と手を挙げ挨拶をした。

「昨日はよく寝れたみたいで良かった…朝食できてるけど食べる?」

寝れてなかったのが心配だったようだけど寝れていることを確認できてホッと一息をついたアベリアはそう言った。

「うん!ぜひいただきたい」

それから俺達は1階に降りるとすでにガリアとグリロがもう準備を済ませて朝食を食べていた

「おう!おはよう!よく眠れたか?」

「はい、もうバッチリです」

「お前さんもどうだ?ガリア特性のサンドイッチは」

と会話をし朝食を食べた。

「ふぅ〜」腹いっぱい食べて、俺はアベリアを助けて以来この家族にはいろいろ良いことされてばっかだなぁなにか恩返しがしたい…あっ!今びっとひらめいた気がした。

「あのグリロさん」

「ん?どうした?」とグリロが返事をし、いままでやってくれた恩を返すため

「この村や家族のことで困ったことあるなら何でも言ってください!手伝います!」

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