私の日記

もくもくも

12/26 多次元バナナ 

バナナには足が生え、足から音楽が聞こえる。

バナナをむくと世界が広がっている。

バナナがたくさん、並んで、仲良く先っちょの黒い部分、接合部分で繋がれていて、花みたいになっている。

足がぱたぱた動き、車輪のように移動している。

そんなものが道路を走っている。

複数バナナ達の一人、いや、一本が司令塔をしているバナナの皮を剥いて、その中を見たら世界が広がっている。


そう、多次元バナナ空間。


房として接合されていない。違う部分で接合されているのだ。

これを研究しようとしたバナナは甘い。甘いのはモテる。

甘い香りで周りのバナナ達が魅力を感じる。まあ、鼻がないから意味がないけど。

だんだん月日が経ち、皮が変色していく。

活きが良いとは言えないマーブル模様。

実が柔らかくなっていき、バナナの曲がり角度が急になっていく。

杖は持てない。手はないから。


「あ」


バナナの皮が弾け、バナナが現れた。

弾けられるほどの鮮度はないので、むにっとした弾け具合だ。

何本ものバナナがでてきて、一定のリズムを足で奏でている。

バナナの長蛇ができ、バナナの花に潰されて、潰されて、潰されて。


潰されて!


「ぎゃあああああ」


天井が、私の部屋が、体の間隔が。

そして口に咥えられたバナナ。

熱帯っぽいの湿度が高い匂いが、ねっとりした食感が。

バナナを抜き取り、辺りを見回しても何も無い。


・・・・・・バナナの謎はまだ謎なのだぞ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る