@curisutofa

『どうかされましたかしら?。御兄様』


書店ブーフ・ハンドリングにて試験勉強に必要な参考書などを購入しまして、御父様ファーターの待つ高級住宅街にある別宅へと向かっていましたが。私が歩みを止めて天を見上げますと、義妹いもうとが不思議そうな表情にて尋ねましたので。


『雪が降って来ました』


私の言葉を聞いた義妹いもうとが、兄と同じ瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳を天に向けまして。


『本当ですわね。積もるでしょうか?。御兄様』


義妹いもうとの問いに対して私は、天を見上げながら空模様を確認しますと。


『可能性はありますね。本格的に降り出す前に、御父様ファーターの待つ別宅に着くようにしましょう』


『はい。御兄様』


私は再び義妹いもうとと並んで歩き始めながら、小柄な彼女に瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳による視線を向けまして。


『貴女と最初に出会ったのは、雪の降り積もった雪原でしたね。覚えていますか?』


私の話に対して義妹いもうとは、優雅エレガントな笑みを見せながら頷きまして。


『勿論ですわ御兄様。生まれ育った城館を出奔しゅっぽんした後に、御学友と一緒に声を掛けて頂けなければ、世間知らずなわたくしは今頃、路頭に迷っていたと思いますわ♪』


私の義妹いもうとは、金髪ブロンデス・ハール瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳をしている美少女の淑女マドモアゼルですから。御父様ファーターが御治めになられていられます御領地の領界にて、偶然見付けて声を掛けなければ、彼女は非常に苦しい立場に追い込まれていた可能性が極めて高いと思われます。


『あの日に雪が降り積もった雪原に居たのは天の配剤でしたけれど、貴女と出会えて本当に良かったと思います』


義妹いもうとは兄である私の言葉に対して、満面の笑みを見せまして。


『御兄様が御学友の皆様方と共に学ばれていられます学び舎に、後輩として通えるようになりますように、試験勉強に更に熱心に打ち込む事にしますわ♪』


御父様ファーターの養女となり、私の義妹いもうととなった淑女マドモアゼルは、自らの意志により生まれ育った城館から出奔しゅっぽんして来た自立した素晴らしい女性でもあります。


『貴女と同じ学び舎で学生生活を送れるようになるのを、楽しみにさせてもらいますね♪』


笑顔で応えた私に対して、義妹いもうとも楽し気に笑いながら。


『はい。わたくしも非常に楽しみですわ。御兄様♪』

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