死のないに悲しみはありますか

第1話 鏡に映る自分は見えるが、自分自身は見えない。

　窓の外を見ると雪が降っていた。夜の黒の中にある白は星のようだった。

病室のベットには母さんが寝ていた。私は母の手をぎゅっと握っていた。

管の通った母さんの息がだんだん浅くなって、小さくなっていく胸の動きが止まっていく瞬間を今でも鮮明に思い出す。

　「おはよう、アリス」

　「おはよう、アリス」

目の前にいるのは、私だ。同じ顔、同じ背丈、同じ顔。しかし、鏡ではない。

「何故、私を私を作った？」と私が質問する。

「人の死で悲しまない世界を作るため。」と私が答える。

「何がきっかけ？」と私が質問する。

「中学2年生の1/15日、母が亡くなって悲しかったから。」と私は目に涙を浮かべた。

「記憶、思考、感情も完璧だわ。」と私も泣いた。