二日目
国内外の現状
現在夕方の4時です。
家に帰って、戦利品を置き、気が付いたら寝ていた。
寝すぎた。そして体中が痛い。
疲れを感じなかったのは、ダンジョンのおかげではなく、プラシーボと興奮してアドレナリンとかが出ていたからのようだ。
高校からは帰宅部でスポーツに縁が無かった。それもあってか、とんでもない筋肉痛だ。
目覚ましに、朝ごはん(夕方)を食べながら、情報収集しよう。
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ネットニュースや掲示板を見ていくと、昨日から今日までの様子がだんだんと分かってきた。
どうやら日本は、いや世界はおかしなことになっているようだ。
まず、目につくのは輸出入の完全停止だ。
詳しいことは分からないが、政府が発表したそうだ。それによって案の定、食料や
備蓄品の買い占めが起きたらしい。
これはかなりまずいな。今店に行ってもどこも何も売っていないだろう。
家に災害用の備蓄はあるが、そんなに長くは持たない。
そしてもう一つ、ダンジョンが公になったようだ。
政府の発表ではだいぶ表現を濁しているが、正体不明の構造物について述べられている。
むやみに近づいたりしないように発表されているが、罰則などの規定はないようだ。無断で入る人が後を絶たないだろう。
実際掲示板を見るとダンジョンに関するトピックがいくつも建てられており、中にはダンジョン内を探索したと思われる記述もあった。
しかし多くの人は日本人らしく近づかないようにしているようだ。政府の言いつけを守っているというより、様子を見ているのだろう。
あとは実際にはダンジョンの中で電波が通じておらず、一度外に出ないと掲示板に書き込めないという問題がある。
そのため実際には思ったよりも多くの人がダンジョンに入っているという状態なのかもしれない。
もう一つ気になるのは政府の発表で述べられている、【正体不明の現象】というものだ。この表現は、ダンジョンを指すであろう【正体不明の構造物】とは区別して用いられている。
どうやら昨日掲示板で語られていたような不思議現象が、多くの人の間で話題になっていたようでそれについてのようだ。
専門家の間では、地震やミサイルという突発的な出来事の恐怖からきた「集団幻覚」とする説が有力だそうだ。
しかし、掲示板ではこれらの現象をダンジョンの登場と紐づけて、魔法や何らかの能力を用いた人為的な、実際の出来事だとする見方が多いようだ。
個人的には、ダンジョンという非現実的なものを体感してしまったので、ネットのいう「何らかの能力を用いた人為的な、実際の出来事」だったのではないかという意見に賛成だ。
国内の様子は分かったが、問題は海外の様子だ。
どうにも情報が少ない。
これはインターネットがうまく機能していないのもあるが、実際は海外では地震による被害が深刻なようだ。
今回の地震は普段地震の被害を受けたことのない国も含めた広い範囲で観測されている。
その結果、日本や一部の島国、チリなどの地震慣れした地域以外では甚大な被害が出ているようだ。
多くの国では建物に耐震設計などないし必要なかったからだ。
幸いなことに津波は観測されておらず、ミサイルによる被害も出ていない。
しかし、地震による被災の状況もあり、情報が途絶、錯綜しているのが現状のようだ。
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