宝の山(略奪側からみれば)
階段を下り、二層目に降りてきた。
二層目は、地下にある共同墓地のようだ。
槍を置いてきたのは英断だった。一層目の通路と違い、ここでは槍を振り回せるほどのスペースがない。
戦えないほどではないが、周囲の様相も相まって不意打ちには注意した方がよさそうだ。
松明はところどころに設置されているが、棺や木箱のようなものや、物が多く、影になっている場所も多い。
階段を降りてすぐの部分から見える場所に敵はいない。
せっかくなので色々と調べて回りたいが、タイムリミットまであと二時間ほどだ。
警戒しながら、探索を進めよう。
探索中、少し迷いながらも、すぐ近くにある石櫃を開けることにした。
一層目に出てきた敵はスケルトンだった。
そして二層目は地下墓地。棺の中からスケルトンが出てきて襲ってこないとは限らない。
ならば先んじて調べた方が良いだろう。
重さに苦労しながらも蓋をどける。
緊張とは裏腹に、中にはスケルトンも遺体と思われるものも入っていなかった。
そして、その代わりに入っていたのは副葬品と思われるアクセサリーや武器、手帳などだった。
*********
今、私はあることについて悩んでいる。
それは、先ほど見つけた棺に入った副葬品についてだ。
まず、副葬品とは、『故人が大切にしていたものなどを、その家族や友人が様々な思いを込めて棺に入れたもの』だ。
つまり、死者を悼む気持ちの表れだ。
はたして、ダンジョンだからと勝手に持ち出していいのだろうか?という悩み。
そしてもう一つの悩みは、
「これらのアイテムはダンジョンを攻略するにあたって機能するのか?」
ということだ。
ゲーマーならわかってくれると思うが、これらはいわゆる『フレーバーアイテム』(見せかけのダンジョンの装飾)という扱いではないか?という疑問だ。
皆さんもゲーム中に一度は考える、『壁にかかっているそのアイテムを取らせろ、使わせろ』というアレだ。
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