お祭り

 お祭りといえば…


 金魚すくい


 ヨーヨー


 スーパーボール

 

 そして、とうもろこしに綿あめ…って、見れば、それらすべてを一手に、この賑やかなお祭り広場を、しかも独りでゆくものありき。


 そう、その花模様の浴衣もお似合い。さらに、お面・・を額に上げ上げ歩くスタイル抜群黒髪美女は、あの房内美雨に違いなかった。


「な、なんか凄いな…あの姉さん。昔の風刺画建艦競争みたいだ」


「しッ…聞こえるぞっ」


「美人ね〜。もしかして、ひとりで来てるのかしら…」 


 その通り。


「よく、とうもろこしと綿あめを一緒に食えるな〜」


「モデルさんかしら」


 といった人々の声や視線を一身に、やがて美雨は、このお祭り広場から去っていった。



「あれが噂に聞く『ぼっちの美雨ねえさん』か…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る