大爆笑の第2章〜真田戦国伝〜  信濃小県奪還編

ふぁたけ

🔥1話 甲斐へきた

 ここは甲斐。武田晴信、のちの武田信玄がおさめる地。ガラのワルい真田幸隆一行四人は険しい山々をかき分けながら武田晴信の本拠である躑躅ヶ崎館を目指していた。




 一行の長、真田幸隆は無駄に長い襟足を汗にまみれさせて歩いていた。加えて、ただでさえ、目つきが悪いのだが。三日三晩、寝ないで歩いていたせいか死にぞこなないのキタねぇドブネズミのような目になっていた。そして、ヘドロみたいな声で「ボケ、……疲れた。……切腹したい。」と精神崩壊寸前と思わす。





 幸隆の相棒の佐太夫は引くほどの真顔で、歩いている幸隆の真ん前に立ち「おい、幸隆、切腹したいとか大袈裟だな。なんで、お前は疲れてんだ?」と言ったあと幸隆が腹が立つほどニコニコに笑った。




 そして、幸隆より、さらに疲れている妻のキョウはゾンビのような声をだして「……幸隆。きっと、彼は人知を越したなにかなのよ。」と言うのであった。





 すると、甲斐への案内人の望月千代女は可憐に元気に「これぐらい、大したことないわよ。」と爽やかに言うのであった。




 キョウは陰キャ全開の喋り口調で「……アナタも、アナタね。本当に女??」とボソリと言った。




 そして、千代女はよく刺さるハイテンションな声で「うるさい。黙ってて!!オバサン(笑)」とキョウに罵声を浴びせる。





 キョウはムンクの叫びを彷彿をさせるように「……おおおお、おお、お、オバサン。」とたどたどしく口をモゴモゴさせた。





 そして、千代女はキョウにトドメの「オバサン、躑躅ヶ崎館ついたよ」をお見舞いするのであった。


 



 腰を抜かして倒れるキョウ。





 歩みを止めた幸隆は目の前に立つ、途方もなく大きな建物を見て「な、なんだ。この、ド派手な建物は。やんごとなきお子様が、その精神年齢のまま、心がボケほどに汚れに、汚れ、その結果建ったみてぇだ。」と感想をのべた。



 すると、妻のキョウが「……なに、その例え。そんな例え思いつくほうが汚れてるわよ。」と言う。



 「黙れ、オバサン!!」

 



 「……黙れ、その夫。」





 「……う」





 そこへ、建物の中から「入って来い!!」とバカデカイ声が聞こえた。そうかと思うと門が開くのであった。



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大爆笑の第2章〜真田戦国伝〜  信濃小県奪還編 ふぁたけ @sanada3dai

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