1月日記(1/1-1/15)
【1/1】
新年になった。
心機一転頑張りたい。
去年は一緒に夜中に初詣に行ったのだが、今年は断られてしまった。
混むのが嫌だと言っていたが、今まではあお君も乗り気だと思っていたのに。
それなのに、夜になって『上司に誘われたから行ってくる』と、初詣に行っているではないか。
上司がそんなに怖いのだろうか。
……それとも、上司というのは嘘で、あの写真の女性なのだろうか。
疑いは年が変わったくらいでは晴れない。
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【1/2】
去年はこのタイミングで、お互いの実家に挨拶へ行っていた。
が、今年はいかなくて良いらしい。
あお君が地元で小学校のときの同窓会があるからと、その時に自分が行ってくるから良いと言われた。
楽で良いやと思う反面、向こうのご両親にどうしてこないの? と言われないか心配ではある。
私のほうの実家も、そのあお君が同窓会でいないときに自分だけで行ってしまう予定だ。
これがお互い楽なのかもしれない。
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【1/3】
私は三が日家で過ごした。
でも、あお君は外に出かけていった。
なんとなく、スマホをコソコソ見ている気がする。
けれど、気のせいかもしれない。
何度もトイレに忘れてある。
一度忘れてるよと持って行ったけれど、すごい勢いで奪い返された。
ありがとうも言わずに。
怪し過ぎるけど、なにも言えない。
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【1/4】
あお君は今日も出かけた。
私も年始のテレビ番組に飽きてきたので、勝っただけで積んでいた本の存在を思い出し、今のうちにと読むことにした。
いない隙に、家の中の掃除をしてみたが、特に怪しいものは見当たらなかった。
でもちょっと、出かける回数が多いとは思う、やっぱり。
年始から家の中のことをするのが面倒で、食事もお惣菜やデリバリーが多めに。
ちょっと体重が心配。
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【1/5】
今日であお君の会社の年末年始のお休みが終わる。
私は明後日までお休み。
休みが長いのは嬉しい。
去年まではあお君に「休みが長くて羨ましい」と言われていたのに、今年は言われなかった。
休みが長いよりいいことでもあったのだろうか。
気持ちが付かれていたのか、昼寝をするつもりが夕寝になってしまった。
まさか17時に設定していたアラームで目を覚ますとは。
気が付いたらあお君がいなくて、帰ってきたと思ったら嫌味なことを言われた。
聞いたらご飯は要らないと言ったのに、作らなかったらそれでも作るのが当たり前と言われたし、その結果仕方なく食べに行くと外食に出ていってしまった。
なんだか、誰かと比べて下に見ているようで心苦しいし悲しい。
結局また、日付が変わる頃まで帰ってこなかった。
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【1/6】
少しケンカのようになってしまったが、あお君はなにも言わない。
気になるが、私はニコニコしていたほうが良いのだろう。
自分の心も守れる気がする。
あお君の帰りはいつもよりも早かったが、早々にシャワーを浴びて、ご飯も食べずに趣味部屋へ籠ってしまった。
あとで食べると言われた夜ご飯は、私が寝る時間になっても無くなっていなかった。
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【1/7】
もう明日から仕事が始まってしまう。
仕事はしんどいが、あお君のことをずっと考えなくてもいいぶん気が楽だと思っている。
遅く帰ってきてもすぐに準備ができるよう、休みの日に作る作り置きを増やした。
総菜系を増やして、冷凍できるものは冷凍する。
缶詰と、レトルト食品も増やしておいた。
出来立てを食べてもらいたいと思わないかと、5日にケンカのようになったときに聞かれたが、そりゃあ食べてもらいたい。
でも、結局出来立てを出してもあお君は部屋から出てこなかったり、スマホをずっと弄っていて時間が経ってしまうのだ。
冷めてしまうし、モノによっては硬く美味しくなくなってしまう。
いつ食べるのかなんて私にはわからない。
そういえば、昨日のご飯は朝になってもテーブルに置きっぱなしになっていた。
仕方ないので勿体無いけど捨てることにした。
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【1/8】
私も仕事が始まった。
少し長い休みが入ると、本当に仕事へのモチベーションが下がってしまう。
頑張らなければいけないとわかっているものの、家事が待っていると思うとその瞬間から疲れてしまう。
あお君から夜ご飯は要らないとkiccaが来たので、ありがたく食事作りはサボることにした。
早くなったと思っていたが、また帰りは遅くなっていた。
なんだか無性に、誰かと喋りたい。
独りぼっちな気がしてしまって、心臓に良くない。
実家に帰ろうかどうかも悩む。
そろそろ、サトコに連絡を入れようか……。
夜ご飯でも一緒に食べながら、今後の話をしていたら気も紛れるかもしれない。
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【1/9】
ビックリするくらいご機嫌であお君が帰ってきた。
気になるがなにがあったのか怖く絵t詳しくは聞けない。
「機嫌がいいね、なにかあった?」とは聞いたけれど「そう? 別に?」と言われてしまった。
……が、顔がニヤけているので嫌でも目についてしまう。
思わず観察してしまったが、スマホを見ているときに一番ニヤニヤしている気がした。
私の勘は「女」だと言っているが、あっていたらそれはそれで辛い気がする。
外れて欲しい。
でも、そうなら絶対に尻尾を掴みたい。
……いや、尻尾はもう掴んでいるのか……?
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【1/10】
明日、遂にあお君は同窓会へ行ってしまう。
亜顔で送り出したいと思っているが心配だ。
同窓会なのは理解している、私もハガキを見たから。
でも、羽目を外してしまわないか……。
そういえば、先日同窓会の日は早めに行くと言っていた。
先にみんなで会うらしい。
誰と会うかは聞いてもわからないから聞かなかったが(なにか言われても嫌だったし)、行く前にあの写真の女の子とでも会うのかと疑ってしまう。
明日は朝早く出ていくからか、今日は定時で帰ってきた。
久し振りに一緒に食卓を囲んだが、会話はない。
こういうときのテレビは本当にありがたい。
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【1/11】
実家に私もあお君も帰る日が来た。
事前に同窓会のはがきを見たが、あお君は今日は同窓会である。
開始時間は夜だったが、あお君は早めに友人に会うと朝から出かけてしまった。
仕方ないので私も早めに家を出る。
あまり連絡は来ない。
自分があお君に連絡を入れても、既読スルーというやつだ。
スマホを見る暇もないのかもしれないが、一回くらい返してくれても良いのにと思ってしまう。
実家では少しゆっくりすることができた。
帰れば家事を全部やってくれるのだから、本当にありがたい。
また家に帰ったら、家事をすべてこなす日々がやってくる。
自分の仕事も年度末にかけてまた忙しくなってくるから大変なのに。
年末で忙しいのが終わったと思ったら、次は年度末だ。
このたった1日の休みは貴重だなと思う。
……また、あお君は帰りが遅くなるのだろうか。
本当に仕事なのかと疑ってしまう。
どこにいるのかわかっていても、1日あお君から連絡が来ないのはやはり寂しい。
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【1/12】
私もあお君も、実家から帰る日が今日だ。
今これを書いている時点で結構な時間なのだが、まだあお君は帰ってこない。
帰ると連絡が来たから待っているのだが、帰ってこないのだ。
しかも、今まで既読無視していたことには一切触れず、同窓会や私のことにも一切触れず、今から帰るとだけ連絡が来て、全然帰ってこない。
一体どういうことなのだろうか。
あお君の実家まで、一時間かからない距離だというのに。
待っていても、もしかしてこのまま帰ってこないのだろうか。
もう寝てしまおう。
最近、会話が冷たくなったというか、アタリがきつくなったというか、そんなことを考えてしまう。
同窓会だって、実際に同窓会があることはわかっているのに、本当に行ったのかと勘繰ってしまう。
ネガティブに考えてしまう。
私も身の振りかたを考えねばならないのか。
愛情が枯渇している。
自分に対しても、あお君に対しても。
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【1/13】
朝起きたら、すごく久し振りにあお君が朝食を用意してくれていた。
最近は、眠って起きないことも多かったのに。
私の好きなベーコン、スクランブルエッグ、オニオンドレッシングのかかったサラダ、イチゴジャムの載った無糖のヨーグルト、トースト半分にバターとオレンジジュース。
ホテルのバイキングのような朝食。
しかも、なんだかめちゃくちゃあお君の機嫌がいい。
こんなに機嫌のいいあお君を見たのは、いつぶりだろうか。
とても優しいし、今までそっけなかったことも謝ってくれた。
久し振りにあお君とデートをする。
今日がずっと続けばいいのに。
そうしたら、なにも考えなくて済むのに。
ない物ねだりをするつもりはないから、冗談ではあるが。
ずっとこの調子でいるのは、本人が自主的に楽しんでやっていたとしても、長くは続かないだろう。
……ひとつ思わず考えてしまうことがあるとするならば、あの写真の女性とは別れたのかもしれない? ということだろうか。
女性は実は何も関係なかった……という話ならば、早く忘れてしまいたい。
それでも、日記は書き続けようと思う。
毎日の頭の整理にピッタリだ。
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【1/14】
休みが明けて仕事だ。
今日は比較的忙しくなかったので、今までできなかった資料の整理を一気にやった。
これで私含めみんなの仕事の効率が上がれば嬉しい。
あお君は、今日はなんと定時で帰ってきた。
しかも、寄り道をしなかったのだろう。
連絡が来て、帰りの時間その通りに帰ってきた。
一緒によるご飯を取る。
リビングで映画を見て、平日だが楽しかった。
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【1/15】
今日もあお君は定時で帰ってきた。
帰り道、ケーキを買ってくると言って、どれが良いか聞かれた。
私は売っていればイチゴのタルトが良いと答えたのだが、季節柄ちゃんと売っていたらしい。
お目当てのイチゴタルトを無事食べることができた。
あお君はモンブランだ。
秋だったら和栗のモンブランのあるお店で、今は置いてなかったがあお君はモンブランが好きだ。
それからお試しでもうひとつ、フロマージュを買ってきてくれた。
これは半分こした。
紅茶もあお君が淹れてくれた。
時間が遅いからと、デカフェで。
至れり尽くせりである。
私もしっかりしなければ。
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