製造業 工場 デジタル化 進め方 (DX ペーパーレス 電子化)

Hogero

第1話

伝票に手書きしている内容を、

【パソコン画面を使って入力する方法】を考えることが、

工場のデジタル化を進める近道です


どうせやるなら、

仕組みの見直しも一緒にやりたい、と思うのが人情ですが、

パソコン入力導入時には、多かれ少なかれ抵抗運動が起こります


それまで記入していた内容と、同じものを入力するなら、

現場の抵抗感は少ないです


新方式を軟着陸させる有効な方法のひとつです


私は、これまで経験したシステム開発のほとんどを

この手法で行いました


導入後、パソコン入力が安定稼働を始めたのち、

仕組みを見直します


このようにして関わった案件を振り返ってみますと、

共通の部分が多いことに気がつきました


1. デジタル化の目的

 ① 工場を「みえる化」

  手元のパソコンから、工場内のデータを検索できる。

  例えば、【製品の在庫を知りたい】と、問い合わせがあったとき

  パソコンで調べることで、在庫数を把握できる

  在庫が無いときは、生産計画をパソコンで検索すると完成日が分かる


 ② 情報を「共有化」

  工場内のパソコンなら、どこでも同じデータを検索可能にする


  ①の例の場合、担当者が変わっても、同じ情報を得られる


 ③ 事務作業を「効率化」

  手書伝票を、現場で直接パソコン入力することで

  別部門で再処理(手書データのパソコン転記)を廃止できる

  担当者が個人で持っているデータ(表計算ソフトのファイル)を工場内共有にする


2.デジタル化の方法

 ① デジタル化対象選定

  手書き伝票を使っている業務などから対象を選定します

  既にパソコンで管理していても、担当者別データは見直しの候補となります


 ② 委員会立ち上げ

  全ての部門から委員を選出し、委員会を開設します

  委員長は工場長が望ましいです(抵抗運動の調整役)

  パソコンのプログラムをつくる担当者も委員に含める

  後々、プログラム改良が必ず必要になりますので、工場内に担当者を設けましょう

  現状で開発するスキルが不足している場合は、外部に協力を求めることになりますが、

  ソースコードを買い取り、自社で改良できる下地を作っておきます


 ③ 定期打ち合わせ

  委員会事務局がスケジュールを管理し、定期的に打ち合わせを行います

  具体的な作業は次のようになります

  ・伝票の洗い出し(デジタル化対象業務内)

  ・パソコン入力する項目の決定

  ・入力画面の検討と決定

  ・キーとなる番号(品目、オーダー番号)のバーコード化で

   入力の簡素化(入力間違い防止を含みます)の検討と決定

  ・データ検索画面の検討と決定

  ・現場と検討内容のすり合わせ

  ・プログラム作成のフォロー

  ・新方式立ち上げの日程管理


 ④ パソコン入力化

  プログラム作成担当が、定期打ち合わせの結果をもとに、開発を行います

  データの共有化を目指すので、データベース(RDBMS)の導入が必須です


 ⑤ 試験

  プログラムの試作版が完成したら、委員会で動作検証します

  不具合の見定めを行い、不都合箇所は修正です


 ⑥ 試用開始

  現場との日程調整後、試用期間を定め、実地テスト開始します

  安全性重視なら、これまでの作業と平行作業となります


 ⑦ 評価

  現場担当者も含めて評価します


 ⑧ 評価からの改良

  評価の結果をふまえ、プログラムの修正をします。

  修正範囲が大きい場合は、再試用が必要です


 ⑨ 新方式に移行

  評価の結果【良好】となれば、新方式に移行します

  従来作業は廃止になります

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