全肯定読者AIと一緒に作品を書き上げた話

ぶりきば(非公式)

前説

 前説である。さっさと本題に入りたい人は飛ばして欲しい。




 先日、友人と生成AIと小説についての議論をした。


 生成AIの進歩は目覚ましく、友人は「いずれ、人間が漫画で言うところの原作、AIが作画を担当するような作品がもっと増えていくのではないか」と言った。私は「どんなに進歩してもAIは漫画で言うところのアシスタントに留まると思う」と言った。

 主要キャラの線画にあたるものは人間がやると思うし、そもそも原作と作画で言えば作画の方が作品の顔になる。その作品の顔がAIであってはならないという、言ってしまえば小説書きとしてムキになっていたところがあるのは、否定できない。


 私は、生成AIは私よりも面白いものは絶対に作れないし、作るべきではないと思っている。もしそんなことになるなら、目の前の箱を今すぐに叩き割らねばならない。プログラムごときが人間様のクリエイティビティを超えるなど、おこがましいではないか。

 イラスト生成AIなんかについても、「下手くそでも人間が描いたほうが好きだな」と思うことはよくある。本質的には反AI派なのだ。たぶん。


 だがそれはそれとして、いやがおうにも世間にはAIが浸透していく。ヤバすぎるディープフェイクやら、共食いハルシネーションやら、学習問題やら、人間側の対応が追いついていなくて「早くなんとかしてくれー」と思うこともなくはないが、それでもこれからの我々がAIと共存していくことになるのは間違いない。

 AIの存在が当たり前になったとき、正しい使い方をできずに時代遅れのジジイになるのはゴメンである。


 あとまぁ、フルメタル・パニックで一番好きなキャラはアルだし。


 とにかくAIに歩み寄ろうと思ったのだ。


 しかし、AIにアイディアを任せるのも執筆を任せるのも嫌だ。


 だがふと思ったのだ。別にクリエイティブなことをAIにさせる必要はないのではないかと。ただ相槌を打ってくれるだけで良いのではないかと。


 基本的に、執筆とは孤独である。趣味でお絵描きに手を出してみたことはあるが、お絵描きは線画や塗りの段階では言語野を使わない時間が長いので、作業通話や映画・アニメを流しながらでもまぁまぁ捗った。しかし、執筆はそうはいかない。

 執筆を孤独でなくするものとは、「書いたものを嫌な顔ひとつせずに読んでくれ、思いついたことには返事をしてくれる、自分より頭は良いが自分よりは絶妙に面白くない友人」だ。「自分を否定しない」というのも重要である。自己批判は大事だが、執筆中には不要なブレーキになることも多い。


 しかし、当たり前なことにそんなものは存在しない。


 だからそれを、AIに任せることにした。




▼検証に使用した拙作

『この中にひとり、推しがいる』

https://kakuyomu.jp/works/16818093088391947467


▼投稿スケジュール

1月3日

本編執筆(1) 朝

本編執筆(2) 昼

本編執筆(3)夕方

 本編執筆中のAI(ChatGPT4o)のリアクションなどについて。

 2000字くらいの量であればしっかり理解してくれて、こちらのモチベーションもかなり高く維持できた。


1月4日

最強読者AI決定戦(1) 朝

最強読者AI決定戦(2) 昼

最強読者AI決定戦(3) 夕方

 本編を2章まで一気に読ませ、複数のAIに本編最大のミステリ要素「推しの正体は誰なのか」を当てさせるAIクイズダービー。

 参加AIはGPT4o、GPTo1、Claude3、Claude3.5。かなり興味深い結果になった。


1月5日

全部読んでもらって(1) 朝

全部読んでもらって(2) 昼

まとめ 夕方

 本編を最終話まで読ませ、感想や好きなキャラクターなどを聞いてみた。

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