第2話 名家追放

俺の順位は低かった。


だいたい世界中で1億人くらい探索者がいるらしい。俺の順位は約36百万位だから全体の3分の1か。


とはいえ、18位だった絵梨華や、部隊長を任せている13位の弟の竜司とは比べ物にならない……。

お前ら強すぎじゃね?


人がダンジョンに慣れ始め、量より質を重視した攻略に移っていっている状況も俺にとっては逆風だ。

俺のスキルは量がないと活きないのだから。


「幸い四鳳院のおじさまもあなたとの婚約を破棄して竜司と婚約することを認めてくださっているわ」

絵梨華はゴミを見るような目で俺を見下しながら、説明は義務だから仕方なくと言わんばかりの抑揚のない声で淡々と語る。



「四鳳院家には似合わない粗野な兄さんの存在理由はダンジョン探索の可能性だけだ。それがなくなった今、後継者の地位は僕が貰う。とっとと出ていけ」

絵梨華に手を回して嫌らしい笑顔を張り付けた男が俺の弟、竜司だ。


くそっ。



完全に潰しに来やがった。

トボトボと出ていく俺をよそ目に抱き合う2人。


「おい、早く出ていけよ!」

竜司の声に『死ね』としか思えなかったが、俺にはどうする力もなかった……。

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