「――」や「……」について

 明けましておめでとうございます。現在新作を準備中である熟々蒼依です。


 今回はライトノベルにおいて欠かせないモノである「……」や「――」について語っていこうと思います。


 前回、僕は「、」を息継ぎだと紹介しましたが、「……」も似たような役割を持つと考えています。


 それが持つ役割は、すなわち「地の文に起こすまでも無い、文節間の小さなを表現する」という物です。


 どういうことか、実際に化学転生作中で使われた言葉を引用して説明しましょう。


”僕は貴女方を守ると誓った身です。保証すると決めた財政面で貴女方を頼る事は避けたいですが……またいつか、休暇中にここを訪れてもよろしいでしょうか?”

――第20話『こうして龍は人権を得る』より(※1)



 フランがこう発言するに至るまでの経緯は一旦置いておくとして、注目するべきは文章中に挟まった『……』が生み出している小さな間です。


 この小さな間は、ある時はその後の言葉を発する際の小さなを表したり、ある時はちょっとした思考の時間を挟む事で意見が切り替わった事を暗にを表現したり、ある時は間を持たせることでその後に放つ言葉を強調したりする。


 普段の会話で使うとやや冗長気味になってしまうこの間も、一種の演劇であるライトノベルにおいては華を添える演出となる。「……」を制する者が、会話文を制すると言っても過言……ではありますか、さすがに。


 ◇  ◇  ◇


 最後に「――」についてですが、こちらの役割は主に三つあると考えています。


1.他のキャラやイベントに会話を遮られる時に使う記号(文末)


”年の面から考えれば、当主に相応しいのはお父様の方だ。しかしその実、君は当主の座を兄上に押しつけてる。君の人格を予想しよう――”

――第2話『毒親への逆襲』より(※2)


 直後に父親がフランに殴りかかるというイベントが発生し、フランはそれをあとで会話を続けます。


 このように、次に起こるアクションの予兆を表すものとしてこの記号は有用でしょう。また会話文の終わりに混ぜ込むだけで無く――


”少女は少年に近づき、肩をどついてベッドに押し倒す。そうして少女は――”

――第1話『化学転生』より(※3)


 地の文に混ぜ込む事で、次に良からぬor非常に良いイベントが起こるサインとして使うことも可能です。


2.重要なセリフだと読者に伝えるための演出記号(文頭)


”――『二兎追うものは一兎をも得ず』というが、今この状況に限り、二兎を追っても良い!”

――第50話『二兎追うもの二兎を得る』より(※4)


 とっておきの決め台詞や、重要な地の文や台詞の文頭につける事で、『……』以上にその文章が強調されます。


 とはいえ、多用は出来ません。印象が薄れてしまいますからね。


3.『……』よりも重要な間を表す(文中)


”簡単に言えば――ボクシングだ”

――第25話『試合決定』より(※5)


 次の文節において、『意外性の高いイベントや言葉』が続く場合に使うべき記号です。『……』と同じく間を置く為に置く記号である事は確かですが、より重要な何かが起きる場合に有用です。


 引用したシーンにおいては、世界義賊団の大団長に会うための儀式の内容がまさかのボクシングの試合だったという意外性を売りに『――』を使用しています。


 ただ慣れない内は1か2の用途をほどほどに使っておけば良いでしょう――正直、この記号を使うためにいちいちって打つの面倒くさいし。


 如何だったでしょうか? 良ければ引用元の話もご覧頂けると幸いです。今回は『――』と『……』についてのお話でした。


 またネタを見つけたら更新しますので、その時はお付き合いいただけると幸いです。ではまた次回。


※1(https://kakuyomu.jp/works/16818093086986279770/episodes/16818093087794038447)


※2(https://kakuyomu.jp/works/16818093086986279770/episodes/16818093086986398312)


※3(https://kakuyomu.jp/works/16818093086986279770/episodes/16818093086986334581)


※4(https://kakuyomu.jp/works/16818093086986279770/episodes/16818093089831861863)


※5(https://kakuyomu.jp/works/16818093086986279770/episodes/16818093088004479373)

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