日本縦断中央鉄道

刻松亜紀

プロローグ

プロローグ

 戦後の日本の経済成長において、鉄道は常に歴史のページにその姿を刻んできた。終戦後の物資輸送に始まり、高度経済成長の大量旅客輸送、オリンピックに向けた新幹線の建設、そして今日こんにちの世界に誇れる高い鉄道安全技術。鉄道は、日本が先進国となることを後押ししたと間違いなく言えるだろう。

 

 日本国営鉄道が民営化し、全日本旅客民営鉄道ALL JAPAN RAILWAYS、通称ARWエーアールダブリュとなって30数年が経った。年々深刻になっていく少子高齢化、首都一極集中による地方の過疎化、モータリゼーションによる鉄道利用人口の低迷。ARWは、経営破綻を回避するため、廃線を繰り返し、国民からは公共交通機関としての在り方を問われるまで堕落してしまっていた。


 そんな中、日本の鉄道を再建する最後のチャンスとして、2027年、国家プロジェクトとして「日本縦断鉄道」の建設が発表された。これは、「日本縦断鉄道」の実現に向け奮闘する、男たちの物語である。

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