よく冷える冬の日
Suger Rusk
第1話
(寒いな…… さすがに冷える…… )
世間では”聖夜”だなんだと言われるこの日、俺は勉強机に教科書を広げ、窓から曇り空を眺めていた。スマホから着信音が聞こえるが、今は出たくはない。どうせあいつらだ。今日を一人で過ごす俺を、皆で笑おうとしているのだろう。
中学では友達は多いほうだった。それは当然高校に行っても同じなのだろうと思っていた。俺は一体いつ間違えたのだろう。盛大に遅刻したときか? 窓ガラスを割ってしまったときか? 教科書を忘れて
はじめは
「……もしもし?」
「ちょっと
「え? あぁ、ちょっと考え事してて…。どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたもないでしょ! 今日はクリスマスだよ? 電話する約束でしょ!」
「あぁそうだったね。忘れていたよ。」
俺は少し泣きそうになった。
「…どうかした?」
「いや、大丈夫。」
窓からは月明かりが差し込んでいた。
よく冷える冬の日 Suger Rusk @Suger_Rusk
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