幸せな日々Ⅸ
そういえば、私は高校を卒業後、アルバイト先であった職場でパートとして働くことにした。将来何か目指したいものは見つからなかっし考えつかなった。
担当部門のシフト表を見る限り、状況もあまり芳しくないようである。低い賃金なうえに力仕事な面もあったから、新しく入ってくる人がいても、みなすぐに辞めていってしまう。もちろん、私が辞めたところで別の誰かが代わりに入ってくるのかもしれない。それでも、私はその状況を見過ごせなくて、もし自分が入ることでここの人たちの苦労が少しでも減るのなら、手伝いたいと思った。
初めてここでアルバイトしていた頃を思い出すと、なんだか懐かしく感じる。
最初は緊張ばかりしていて、ときどきミスも犯していた。
マナーなんかも全然知らなくて、指導ばかりされていた。
でも、それを反省して少しずつ以前よりも良くなるよう努力していたら、今は立派に仕事を任せてもらえるようになった。
私はここの優しい人たちにとても恩を感じている。
学校の先生からは、「せっかくこの成績だったら、どこでも大学の推薦は取らせてあげるよ?」と言われたけれど、私は特にこれといって夢中になれるものがなかったから、それを断った。
私はそれを後悔していない。
きっと私が社会で貢献できることなんてちっぽけなもの。だから、目の前の現実を少しでも良くできるのなら、それでいい。
ところで、最近はあまり世の中の景気がどうも良くないと感じる。
物価は上がっているのに給料は上がらないためか、お客さんは来るけれども前に比べて買っていく量が減った気がする。割引を行う商品が増えてきた。
まぁ私がそれを気にしても仕方ないか。働き終わったら、何かお菓子でも買って帰ろう。
よし、気分を切り替えて、今の作業を終わらせてしまおう!
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