午後八時に私は「土鍋ご飯」を作った
隅田 天美
午後八時に私は「土鍋ご飯」を作った
「クリスマス? あー、俺はボーナスで全部溶かしちゃいました」
後輩は笑いながら言った。
「溶かしたって……後輩君(仮名)は株でもやっていた?」
「いや、○○というネットゲームで……十連ガチャを○○回ほど……冬休みの予定は県外の友達とネットでオールします……『ネット廃人』? 上等な誉め言葉です」
さて、若かった時の私はともかくとして、現在、四十代半ばの人間に
さりとて、世の中、クリスマスだ。
きっと、ちょっと特殊なホテルは満員御礼状態だろうし、某フライドチキン屋さんは大変だろう。
……羨ましくない。
羨ましくない!
なので、ハーレム状態の『衛宮さんちの今日のごはん』で土鍋ご飯を見て『クリスマス一色の世の中に反旗を翻すべく土鍋でご飯を作る』という計画が出来た。
ちなみに、今回の土鍋は炊飯用の土鍋を使ったので『衛宮さんちの今日のごはん』のような土鍋ではない。
土鍋は奥が深い。
世の中には、炊飯用の土鍋もあれば、味噌汁用の土鍋もあるのだ。
さて、肝心の材料。
米であるが、今回はいつものスーパーや親せきの米農家からではない。
駅ナカでバカップルども行きかう中で買った地元産のコシヒカリ。
天日干しである。
『土鍋でご飯を炊く』
敷居が高そうだが、実は専門の土鍋でやると、ほぼ放置状態で完成するので時間さえあれば、料理初心者でも結構大丈夫。
私が愛用しているのは『銀峯陶器 菊花 ごはん土鍋 (2合 炊き 瑠璃) 』である。
実は、説明書を母が大掃除に来て破棄してしまったのでネットで必死で検索して、何とか作り方を思い出した。
今回は二合で作った。
最初に米を全部開ける。(だって、二合用だったから)
ボウルに水を入れ、数回だけ水を回すように混ぜて、水だけを切る。
その後は、水が透き通るまで研いで浸水。
それを三十分後、ザルにあける。(プラスチックのザルが目に詰まらくて楽)
既定の目盛りまで水を張り、内蓋と外蓋を対角になる様に乗せたら強火で着火。
外蓋から白い湯気が出てカタカタ言い出したら、火を止め、三十分ほど放置。
はい、出来上がり!
ふたを開ければ、銀色に輝き立っているご飯の一粒一つが素晴らしい。
おこげが出来な仕様にはなっているが、普段とは違うご飯がある。
私は大好きな『あかり』(明太子のふりかけ)を混ぜて母が残した米麹につけた鶏肉を焼き、牛肉抜き精進ビーフシチュー(この料理に関しては後日書きます)をトースターで温める。
感想。
「美味い」
米の甘みが存分に出て、そのくせ、他のおかずの邪魔をしない。
『あかり』もいいアシスト具合だ。
なお、残りのごはんはお握りにして翌朝のごはんになった。
冷めたご飯に熱々の精進ビーフシチューがよく合う……
いつか、異性とイチャコラしながらクリスマス、過ごしてぇなぁ……(遠い目)
午後八時に私は「土鍋ご飯」を作った 隅田 天美 @sumida-amami
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