俺監視役なんだけど追放されちゃいました!!!これから自由に生きます!!

俺にゃん

第1話 自由に生きて良いよね!ね!!?

「お前は追放だ!ファム!!」


探索が終わり、王都である。ここリセス王国にある。一番大きなギルドに帰還し、物資や資金の分配するというところでリーダーである。勇者ハルトから告げられた。

パーティーメンバーだった、聖女リア、魔道士アテナ、女騎士ナナミ達の方を見ると気まずそうに顔をそらす。

、、、数秒の沈黙の後周りの冒険者がザワザワと話し出す。


「なぜなんですか?」


焦らずに冷静に口を開いたファムは問い出した。


「なぜだと?今回のダンジョンお前は何をした!?なにもしてねぇだろ!目を離した隙にどこかに行ってたり、ボーッと突っ立てたり!お前ほんと何なんだ?!生きてる価値、勇者チームにいる価値あるか?てめぇみたいな役立だづはな要らねえんだよ!!追放だ!さっさとどこかで野垂れ死ね!!」


声を荒げ、周りに聞こえるようにハルトは怒鳴る。ファムは何も言わずただ立ってハルトを見ていた


「分かった。」


背を向けギルドから立ち去ろうとするファムに他のパーティーメンバーは顔を背けていた。何も言わず申し訳なさそうに


「おい、待てよ」


するとハルトがファムに声をかけた。ファムはまだ何かあるのか?と思いゆっくりと振り向く


「迷惑料貰ってねぇんだけど?」


ハルトは手を前に差し出しながら、ファムの方を見つめていた


「ちょっ、ちょっとハルト!それはさすがに!」


「あ?何だよリア、お前だって不満に思ってたから、追放に賛成したんだろ?」


聖女であるリアは、ハルトの行きすぎた行為を注意したが、ハルトが言った不満は確かにリアや他のパーティーメンバーにもあったのは事実だ。

一瞬言葉が詰まりたじろぎそうになった、リアだがすぐにまた口を開く


「そ、それでも!!「分かった」」


リアの言葉を遮り、ファムは承諾し金貨が入った袋をハルトに投げ渡した。

ファムの片足はなぜか、貧乏ゆすりのようにうずうずと動いており、それを見たハルトはバカにするように鼻で笑いながら、喋らずあっちにいけとハンドサインをした。

ファムは何も言わずに、今度こそギルドから出ていった。

ファムの口元はなぜか少し緩んでいる


       ・   ・  ・


ファムを追放し、ギルドから出ていって数秒が立ったとき、ハルトの行動がやりすぎだと感じたリアは机をバァン!と叩きハルトに問い詰めだす


「ちょっとハルト!流石に言い過ぎでしょ!!」


「あ?お前だって愚痴ってたろ?何でモンスターとの戦闘中なにもしないんだろうって」


座ったままうざったそうな顔をリアに向けながら言い返す


「そ、それはただの疑問だから!それに私はあんたほどファムのこと悪く思ってないわよ!この短気クズ!!」


「なんだと!!てm「はい、そこまで」


椅子から立ち上がり、リアの胸ぐらを掴み取っ組み合いの喧嘩になる前に、女騎士のナナミは2人の間に入りハルトの腕をリアから離し、殴り合いに発展しないようにする


「やめなさい2人とも、、、勇者と聖女が喧嘩なんてみっともないわよ?一度頭を冷やして落ち着きなさい。私たちは仲間チームなのよ?」


「チッ」


その場から離れ倒れていた椅子を直したあとその椅子にドサッと座った。リアは掴まれた所をあくまでも冷静に、整えたあとハルトから離れたところに座った。


「全く、、、これじゃあ今日のダンジョン探索は無理そうよ?どうするのハルト君」


今の状態だと探索中にも喧嘩が起こってしまうかもとナナミは推測し、ハルトに問いかける


「、、、今日は1日休みにする、さっさとどっかへ行け」


こんなんでも聖剣を与えられた選ばれた勇者であるハルトは、ナナミと同じことを思っていたため、バツが悪そうに、3人に休暇を与えた


「当たり前でしょ」


ハルトが言い終わるとほぼ同時にリアは吐き捨てながらギルドを後にした。それを追うようにナナミを歩いてギルドを出て、魔術士であるアテナは勇者と聖女の方を何度か見た後、杖を両手で持ったまま勇者にお辞儀をした後に小走りで出ていった。


        ・  ・  ・


ファムはギルドから約数十分程度走った先にある国王がいる城についていた。


「すいません、元勇者チームのファムです。国王様に私が追放されたことを報告したいのですがよろしいでしょうか?」


門番が喋るより早くに身分証を提出し立て続けにとんでも発言をした。

門番はファムが言った勇者チームからの追放と言う爆弾発言で慌てていた。

その姿見ていたファムは楽しそうな笑みを浮かべていた。


「しょ、少々お待ちください!」


門番の1人が城内に慌てながら連絡を取りに行った。普段は通信ができる魔石を使っているのだが混乱しているのか2人とも気づいていない様子で、ファムも楽しんでいるのかその事にツッコムことはせず、大人しく待っていた。


数分後息を少し切らした門番が帰ってきてオーケーのサインを出すと、待機していたもう1人が門を開けた。


「どうぞ、許可が取れました。それと、伝言ですが直接国王様の所に来いとのことです。」


門番との会話を一通り終え城内に歩いて入る、国王がいるであろう謁見の間に近づくにつれファムの足は自然と早くなっていた。


「失礼します」


1度深呼吸をし真面目な顔を作ったあと、一際大きな扉を明け、最敬礼をする。


「ファムもう着いたのか!すまないがすこしだけ、客室でお待ちしてくれないかい?」


家臣との謁見を一時中断しファムに話しかけた。


「分かりました。」


国王は近くの従者に頼み、ファムを客室に案内させた。

ファムが客室の椅子に座っていると、別の従者が紅茶と菓子を机に置き、従者が客室から退出したあと、出された菓子とケーキをモグモグと食べていた。

一通りケーキを食べ終わった頃、扉を叩く音が聞こえた。


「どうぞ」


ファムは誰が来たのか察しが着いたのか、お茶菓子を食べるのをやめなかった


「失礼するよ」


入ってきたのは意外にも国王本人である。本来なら客人だろうと勇者だろうと関係なく、その国の王様がいるところに出向くのがこの国の、いやこの世界の常識であると言える。しかし今回は、リセス王国の国王がわざわざ客人である。ファムのところに出向いたのだ。


「よっ!イリゼス!!いや国王と言った方がいいか?」


イリゼス・ローレスはこのリセス王国の24代目国王であり。

そしてファムと幼馴染みである。

しかしイリゼスの見た目はしわくちゃのお爺ちゃんであるのに比べ、ファムの見た目は10代に見えるほど若いのだ。


「イリゼスで構わんよ、よっこいせ、、、」


国王はそういいながら、ファムの対面の椅子に座り、自室から持ってきた茶菓子を机に広げ食べ始める。普段の丁寧で上品な食べ方ではなく。男友達と食べているような、普段の着飾っていない本来の食べ方であった。


「ふむ、このケーキ上手いの」


「分かる。このケーキ作った調理人の賃金百倍ぐらい上げてあげて」


「流石に無理じゃ」


などと何も生産性の無い談笑をしばらく続けていた。しかしイリゼスが1口紅茶を飲んだ後、真剣な顔になり、口を開いた。


「それで?ファムよ、家臣から聞いたのだが本当に勇者チームを追放されたのか?」


「本当~」


どうでも良いかのような適当な言い方をしながらイリゼスが持ってきたクッキーを1つ食べる


「はぁぁ」


ファムの言葉を聞き深いため息をしながら頭を抱える。国王、その理由は単純であった


「まさか、追放されるとはのぉ、それも監視役がとは、、、」


そう、ファムはイリゼスが頼みに頼みこんで、ハルト達の護衛兼監視役として勇者チームに入ったのだ。勇者チームが負けないように死なないように見守り、またなにか悪さをしていないかの監視をしていた。


「まぁ、活躍を見せなさすぎたのが原因なのかもね。」


「あぁ、おったよ、、、流石にあれはファムも悪いぞ?」


そう、今回の追放一概にハルトだけが悪いとは言えない。ファムが勇者達を育てるためとはいえ、サボって高台で見るだけだったり、勇者チームをおいて隠し通路を探しに行ったりと、いかんせん協力プレイにファムは向いていなかったのである。もちろん最低限監視役としハルト達勇者がどこにいるのかを逐一確認しながら、ダンジョンの難易度が低く、自分が必要がない場合にのみ、サボったり自由行動をしているし、逆にハルト達だけでは難しい時は後ろから敵を弱らせたり仲間にバフを与えたり、人知れず倒したりはしているのだが仲間にはそれを伝えていなかったのだ


「まぁ、、、返す言葉もないね。だから勇者達にはお咎めなしでお願いできる?」


手を合わせ、申し訳なさようにイリゼスに頼み込むファムを見て、呆れたような笑みを浮かべた


「ふむ、ファムの頼みだ良かろう。」


考えるふりをしたあと口を緩めながら話す。


「やった、ありがとね」


「それで?ファムはこれからどうするんじゃ?」


「とりあえずは、疎遠気味になってた友達に会うよ。」


ファムは残っていた紅茶を全て飲み、手を拭きながらイリゼスの質問に答える。


「そうか、杞憂かもしれんが一応言うとくぞ、くれぐれも、くれぐれも!気を付けるんじゃぞ?」


「任せてよ、怪我もしないし喋り方のオンオフも出来る。バイバイイリゼス」


国王であるイリゼスに手を振り客室から出ていくときにはすでに、ファムの目付きは鋭くなっており、無表情になっていた。そんな友を見送ったあと、席を立ち客室をから出て行ったイリゼスもまた国王に戻っていった。


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