幕末の剣豪、金山与平 ー異世界再生して精霊王の後を継いだのだがどうしようー
美瑠華麗
第1章 精霊王と与平
プロローグ
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はじめに
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幕末の剣豪、金山与平は異世界の絶海の孤島に転移再生し、光の精霊となった。万能のスキルと莫大な魔力、異世界を牛耳る力を得た与平ではあったが、食うに困らない慎ましい生活であれば十分であると考えていた。
悪魔に執拗に狙われ、考えを変えた与平は空の王者ギガントイーグル、海の王者クラーケンとシーサペントを倒すほどまでに強くなって行く。精霊王に託された世界樹の回復のため魔力を蓄え、世界樹のあるカーナ国に向かう。
♢ ♢ ♢
幕末の京都で討幕派が台頭する中、与平は伊勢亀山領の京臨時屋敷の警備を務める中級武士ではなく、下級武士として京に送られた。十分な俸禄も与えられなかったため、護衛の仕事をしながら飢えを凌いだ。
与平の持つ心形刀流の道場師範という肩書は伊達ではなく、新選組で剣の達人と言われた永倉新八でも勝てるかどうかと組員が評するほどの腕前だった。
幕末の京都では西の薩摩、長州、土佐藩を中心とする攘夷・倒幕派と佐幕派の会津藩との争いが激しくなり、倒幕派の優位が明らかになってくると、最後まで残っていた新選組は京を出た。
それより前、討幕派が勢いを増す中、伊勢亀山領は、京臨時屋敷を畳むことになり、与平は屋敷守一行と共に伊勢へ戻ることになった。
郷里へ戻る道中、倒幕派に集合しようと京に向かう大勢の浪人達が、伊勢亀山領の旗印を見て、手土産代わりにと東海道水口宿を過ぎた辺りで切りかかってきた。
与平は屋敷守達を逃がし、孤軍奮闘するが、如何せん数が多すぎた。
屋敷守一行が逃げ延びたのを確認すると、与平は逃げた。逃げに逃げたが、野洲川の橋に追い詰められ、浪人達に囲まれた。
与平は橋の欄干を超えた。
川の水音を聞く前に、与平の意識は闇に落ちた。
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