慰め

新商品

キョンちゃんたち6年生たちが県大会決勝まで行ったのに、試合が行われずに引退には驚いた。試合をして負けたならまだしも、やらずに負けを言われたようなもので自分は何も悪いことをしていないのに顔を合わせにくい葵結あむであった。


全国大会って県大会を勝ち上がったチームが勝ち上がって戦うものでしょ?それなら代表がいないからその年は全国大会は行わないといった措置をとってくれてもいいのではと怒りをどこに向けたらいいのか分からなかった。


8月に入ったある日、バスケットボール部のグループラインが届いた。それは6年生お疲れ様会と新チームのポジションを決める旅行が行われることが決まった。場所は新潟県にいがたけんとまた遠い場所になる。


家族以外で遠出をすることがなく、旅行で部活のメンバーと共にお泊まりをしたりするのが今から仕方なかった葵結あむ


ママに合宿行くことになったと伝えるとスマホを買っておいた方がいいねとパパが帰ってきてから携帯ショップに行こうとなった。同級生でスマホを持っている子もいるが、葵結あむはそこまでスマホがなくて不便を感じていなかった。


せっかくスマホを買うのならば時間をかけてゆっくりどれにするのか?どの色がいいのか?比較して買ってもらおうと思っていたが、どうやら葵結あむにはその時間はない。


バパが定時で帰ってきてそのまま車に乗り込んで近くの携帯ショップに向かった。最新の機種にするのか?何色にするのか?それだけでも決めようと助手席に座っている。


駆け足で携帯ショップの店舗に入ると新規契約するのにギリギリの時間と言われ、最新機種でグリーンという名の黄緑色があってかわいいし持っている人が少ないことに希少性を感じた。


急いで手続きをしてもらいつつ、最初に必要なアプリケーションやアクセサリーを買った方がいいと勧められて言われるがまま購入することとなった。


大慌てでスマホを契約をして、せっかくならばとかわいい新しいパジャマを買ってもらって家を帰るなり、スマホの設定をしてパパとママのラインを登録し、家族のグループラインが形成された。


そしてもう1つ、タブレットにあるラインをスマホに情報を移した。それまでラインをタブレットでやっていたため、電話は出来なかったけどこれからは電話をすることも出来る。


初期の待受画面のままでもかわいいが、家にいない時でも実紅みくを見て癒されたいなと思って寝ているところを撮影をする。


ロック画面には寝顔、ホーム画面にはクルクルしている時、ラインの画面には満面の笑みとありとあらゆる写真を実紅みくにする。


寝る前に実紅みくの犬小屋に行って、しばらく会えなくなるの寂しいと頭と顔を撫でて部屋に戻る葵結あむだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る