大人むけの童話 流れ狸ポンタンの旅

森緒 源

第1話 ここまでの話

 …この物語は、実は拙作「台風一過の江戸川にて」の続話です。

 したがって、筆者としてはまず読者には「台風一過の江戸川にて」を読んでもらってからこの物語に入って頂きたいと思います。


 「はぁ〜ぁ!…めんどくせぇなぁ、そんなら別にいいよ、そんなの付き合ってらんねぇよ!じゃあな!」

 えっ⁉…行っちゃうの?…ひい〜〜っ!お待ち下さい御代官様、私が悪うございました!

 そうしましたらとりあえずここまでの話を超かいつまんで申し上げますので、どうかしばしお待ち下さいませ〜っ!


 今〜の現代(昔むかしではないのじゃ!)…関東の田舎に住んでいた子狸がおった。


 ある年の秋、台風が来て大雨が降り、子狸は増水した川に呑まれてどんぶらこっこと流されてしまった。

 それでも何とか千葉県松戸市の江戸川岸に辿りつき、必死に土手へ這い上がって身体を休めていた時じゃった。


 凶悪な人間の親子に見つかり、捕獲され連れ去られそうになったのじゃ!

 「人間なんかに捕まったら、鎖に繋がれ、"お手"とか"待て"とか屈辱的なハラスメントを受けたり、"この葉っぱを紙幣に変えてみろ"だのと犯罪を強要されるに違いない!」

 そう思った子狸は一瞬の隙をついて人の手から逃れ、再び増水濁流の川の中へと身を投げたのじゃった。



 …ってことで第2話からがいよいよ物語の始まりじゃ!

 


 

 

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