第3夜 八尺様

今日見た夢なんだけど、少年の僕は祖母の家に夏休み遊びに行くんだわ。

家の縁側でくつろいでると急に、白いワンピースに麦わら帽子の長身の女性に生垣越しに話しかけられるの。

そいつは「ぽ……ぽっ」という声をあげるし生垣の上に頭があるくらいでかい。


あ、こいつはやべえもんだと思って家の祖母に伝えるんだけど、急に血相を変えて

「そ、それは八尺様じゃ……えらいもんに目をつけられた」

といい祭りの準備をしていた祖父を呼び戻すの。


すると、祖父は「今週泊まっていけ。帰ったら死ぬぞ」といい、村長とセコンドを呼んだ。

で、祖父は「お前が見たもんは八尺様、魅入られたら祓わんと死ぬ。でも、わしらにお祓いの心得などわからん。だから」

といい、裏山の祠まで行く。


そして入ったらいかんと言われていたしめ縄を鉈でぶった切り、祠を

ローキックで壊した。


「バケモンにはバケモンぶつけんだよ!!

うちの祟り神のが強ぇ!オラ殴り合え『おめみえ様』!!」

というと祠から目が4つある老婆が飛び出し、どこかに走っていった。


で、追いかけると八尺様相手をマウントして顔面を肘で殴っているおめみえ様が見えたし、八尺様号泣してた。


八尺様はそのまま隣町に逃走していき、僕は事なきを得たらしい。

おめみえ様は家で甲子園見てすき焼き食べて祠に帰ったところで目が覚めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る