番外編① 山梨からの転校生

「朝のホームルームを始める前に、転校生を紹介する。岩佐さん入って、軽く自己紹介お願いします!」

「山梨の高校から来ました、岩佐怜いわされいです。よろしくお願いします!」


2学期が始まって、数日が経った9月の中旬。山梨から引っ越してきた女子生徒が転校してきた。

本当は、2学期スタートの始業式の日に転入してくる予定だったが、ちょっとした事情に巻き込まれたことにより、転入が今日になってしまったらしい。


――朝のホームルーム終了後

「転校生の岩佐さん!これからよろしくね!ボクの名前は小高誠人!で、こっちの先生みたいなデカーい人が神崎さん!それから…木村と星崎で…」

転校生の岩佐さんの席は、小高くんの隣になった。

小高くん自身の自己紹介のみだけ…と思いきや、勝手に他の人たちの他己紹介まで始める。


「小高くん!「デカーい人」は一言余計!確かにのは紛れもない事実だけど、嫌だからマジでやめて!あ、小高くん逃げた!」

私と小高くんの馬鹿みたいなやり取りを見て、転校生の岩佐さんはニコッと笑みを浮かべて

「お二人、仲が良いんですね。いつもこんな感じなんですか?」

仲は…良いか。一緒に帰ったり遊んだり…しているし。

「いつも、小高くんが絡んで来るから。岩佐さんも小高くんがしつこく絡んで来たら、ガン無視していいからね?」


最近の小高くんはちょっと調子に乗り過ぎている気がする。

入学当初は、普通の背の低い男子高校生で目立たなかったのが、日に日に先輩や他クラスに存在が知れ渡り「小高くん、小さくて可愛い!」とチヤホヤされるようになってからは、徐々に調子に乗ってきたように感じる。


小高くん、このままだとアカン方向に行く可能性があるから、やらかさないように遠くから監視(見守りを)しなければ…

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