第11話 みんなでキャンプ

ジリジリと太陽が照っている暑~い夏休みの序盤。

私らクラス数名は、小高くんから「今度、家族でキャンプをしに行くんだ!良かったらみんなも一緒に来ない?」と誘われて、小高くんのお父さんが運転する車(マイクロバス)に同乗することになった。


これから向かうキャンプ場の概要を小高くんが超ざっくりだが、教えてくれた。

「これから向かうキャンプ場は、川沿いで山々に囲まれていて自然が豊かなキャンプ場だよ!」


――車内にて

「ねえ、小高くん?私たち、家にあった寝袋やランタン(懐中電灯)くらいしか荷物を持ってきていないけど、大丈夫?」

「それは大丈夫!事前にテントとかキャンプ道具一式をレンタルします!ってキャンプ場の管理人さんに伝えてあるから、心配しないで!」

車内後方に目をやると、荷物置き場には小高家のモノだと思われるキャンプ道具が載ってあるので、小高くんが言う「レンタル」というのはおそらく、私たちの「キャンプ道具一式をキャンプ場で借りる」という意味だと思う。たぶん、キャンプの参加者が思いのほか大人数になったから、急遽連絡をしてレンタルにしたのだろう。

小高家の皆さん、面倒をおかけして、すみません…


そしてクネクネした山道を走ること、およそ2時間(途中のお店で食材を購入)。

目的地のキャンプ場に到着。

車内から、各自の荷物を下ろして小高家が予約していた区画へ向かう。


「それじゃ!まずはじめに、みんなが泊まるテントの設営をやっちゃうか!」

テント設営を手慣れたように、杭を地面に打ち込み、直ぐにひとつ目のテントを完成させる小高くんのお父さん。

二つ目以降のテントは、小高くん父の指導の元、手順を教えてもらう。小高くん父と比べて、キャンプ初心者の私たちは時間は少し掛かってしまったものの、小高くん・小高くん父のフォローもあり、無事にテントの設営が完了!



ここのキャンプ場は、自然が豊かな山の中ということもあってか、少し半袖だと肌寒い。

気温も、学校や家がある市街と比べると10℃近く低い。

(ちなみに冬場は降雪による積雪で、スリップなどの危険が伴うことからキャンプ場は安全面を考慮して、閉鎖しているらしい)



「みんな、キャンプ楽しいでしょ?なかなか、みんなとゆっくり話しができる機会なかったし!ボクはうれしい!」

テンションMAXの小高くん。


キャンプ場脇を流れる川にダイブしたり、泳いだり、水鉄砲で遊んだり…もうやりたい放題の小高くん。



「小高くーん、川遊びするのは良いけど、ほどほどにね…調子に乗り過ぎると滑って転んで、ケガをするかもしれないから…ね?…って、小高くん?話聞いてる!?」

男性陣(星崎くん・木村くんら)は川遊びをする小高くんに強引に付き合わされている。私は軽い忠告程度しか言えない。

いや、小高くんは強く言っても、こういう状態(はしゃいでいる)時は、聞く耳を持たないので、意味はないんだけど…言わないよりかは…いいよね。



そして、なぜか私と小高くん、同じテントで一夜を過ごすことに。

これ…絶対、小高くんのお父さんにからかわれているよね?

別に、そういう関係じゃないので!





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