第7話 小高くんと、お出かけ(後編)

乗り換えなどをして、電車に揺られること約2時間。

私と小高くんの二人は山あいのとある駅・西里原駅にしざとはらえきに降り立った。


「ねぇ?小高くん、随分遠くまで来たような気がするけど、ここはどこ?」


「ここはね~あの有名な「巨大わらじかつ」のお店がある、西里原町にしさとはらまち!そのお店のわらじかつを神崎さんに食べてもらいたくて!」


グルメか観光の雑誌の記事か何かで、ギネス級の巨大なわらじかつを提供しているお店があるというのを見かけたことがあるが、そのお店なのだろうか?


「この前、このお店で食べたわらじかつが美味しくて、是非とも神崎さんにはこの「巨大わらじかつ」を食べてもらいたい!と思って、誘ったんだ!」


小高くんに案内されるがまま、お店の中へと入る。

店内は休日ということもあってか、混雑していたが、たまたま席が空いていたので待つことなく、座ることができた。


「注文いいですか?普通のわらじかつを一つと、巨大わらじかつを一つ、それとお茶を二つお願いします」


店員さんに注文を告げてから数分後、普通のわらじかつ、巨大わらじかつ、お茶二つが到着。

巨大わらじかつ、想像以上に大きい。上手く説明は出来ないので、超ザックリ。


「特注?の巨大などんぶりの上に巨大なわらじかつが乗っかっていて、ガッツリはみ出している!」


巨大わらじかつを目の前にして、不安が頭をよぎる。

予想以上にデカいから食べきれるか…

私はてっきり、巨大わらじかつを小高くんと二人で分けてシェアをして食べるのかと思っていた…


とりあえず、巨大わらじかつを頂く。


「美味しい!特製のタレもわらじかつにしっかり染み込んでいて、口に入れた瞬間、中で ジュワーッと 広がっていって美味しい!小高くん、ありがとう!」


案の定、巨大わらじかつを私ひとりでは食べきれず、先に食べ終わって様子を見ていた小高くんが


「巨大わらじかつを頼んだ、僕の責任だし、神崎さんが食べきれないなら、僕が責任を持って、残りを食べるよ!」


と言い、小高くんが宣言通り、残りすべてを食べきった。



※作中に登場する地名の西里原町の読みは「にしとはらまち」ですが、駅名の西里原駅の読みは「にしとはら」です。

一応、仮名は振りましたが、分かりにくいので…念のため。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る